2014年にビットコイン(BTC)の大規模流出が原因で経営破綻したことで知られる、暗号資産取引所マウントゴックスは10月20日、同社の再生計画案が認可されたことを発表した。弁済が実現すれば、債権者は92億ドル(約1兆500億円)相当のビットコインの分配を受け取ることになると予想される。
マウントゴックスはかつて、ビットコイン黎明期において世界最大の取引所として知られていた。しかし、顧客の保有するビットコインの流出などが理由で2014年2月に経営破綻。以降、一部の債権者が民事再生の適用を求め、2018年頃から手続きが進められてきた。当時のユーザー数は24,000人を超えるとされている。
2020年12月には、マウントゴックスの管財人を務める小林信明弁護士が再生計画案を東京地方裁判所に提出。今回、投票した債権者のうち99%が再生計画案に賛成し、認可される運びとなった。もし再生計画の手続きが順調に進めば、債権者は実に10年越しに補償を受け取ることになる。
管財人の以前の報告によれば、マウントゴックスは2019年9月時点で約14万1,686BTCと、約14万2,846BCH(ビットコインキャッシュ)を保有していたとされている。10月18日に記録されたビットコイン価格最高値をもとにすると、管財人が保有するビットコインの評価額は92億ドル(約1兆500億円)だ。これは、当時マウントゴックスから流出した4億6,000万ドル(526億円)相当を大きく上回る数字となる。
管財人は、発表の時点では分配の時期を明示していないが、再生計画の認可決定は今後約1ヶ月程度で確定する見込みとなっており、その後、債権者への弁済が実施される予定だ。弁済の具体的な手続きや、弁済額の詳細については、追って債権者に通知するとのこと。債権者は、オンラインにて債権者コードを申請し口座登録をすることで、弁済額を受け取ることができるようになるという。
再生管財人は、「大多数の債権者の皆様からの賛同により、再生計画案の可決および再生計画の認可決定に至りました。関係者の皆様のご理解とご支援をありがとうございます。」と述べている。
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【参照記事】[English Translation for Reference Purposes Only] October 20, 2021 To whom it may concern: Rehabilitation Debtor
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