米Microsoftが、エンタープライズブロックチェーンソリューション「Azure Blockchain Service」の提供を終了することを5月10日に発表した。2021年9月10日をもってサポート対象外になるという。
Microsoftは、2015年よりエンタープライズブロックチェーンの領域で事業を展開しており、その中心となっていたのがAzure Blockchain Serviceだった。「BaaS(Blockchain as a Service)」という1つの市場を確立した先駆者であり、当時エンタープライズにはあまり使用されていなかったブロックチェーンを広めるために一役買っている。
2015年11月には、イーサリアムの共同創業者であるJoseph Lubin氏が設立したブロックチェーン開発企業ConsenSysと提携し、「Ethereum Blockchain as a Service(EBaaS)」を発表していた。
通常、ブロックチェーンを利用するにはノードを立てたり専用のバーチャルマシンに接続したりといった作業が必要になる。Azure Blockchain Serviceを利用することで、煩雑なブロックチェーンの初期構築作業が不要となり、スムーズに開発を開始することが可能だ。
今回のサポート終了のアナウンスについて詳しい理由は明らかとなっていない。利用者は代替サービスとして名前があがった「Quorum Blockchain Service」へ開発基盤を移行するよう促している。
Quorumは、ConsenSysがJPMorganより2020年に買収したエンタープライズブロックチェーンソリューションの1つだ。Quorum Blockchain Serviceは、Microsoft Azureで動作するサービスで、文字通りQuorumを基盤としている。
ConsenSysのLubin氏は、「Microsoftとのコラボレーションとして、実績のあるQuorumをAzureユーザーに提供できることを光栄に思います。」とコメントした。
Azure Blockchain Serviceの主な利用企業には、GEやシンガポール航空、スターバックス、Xboxなどが名を連ねる。なお、5月10日時点で新規アカウントの作成やデプロイはできないようになっており、9月10日に全てのサポートを終了するとのことだ。
【参照記事】Azure Blockchain Service retirement notification and guidance – Azure Blockchain
株式会社techtec リサーチチーム
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