財務省がデジタル通貨に関する取り組みを強化すべく、人員増のための予算を請求する方針であることが7月16日のロイターの報道で明らかとなった。通貨を管理する理財局国庫課の人員を増やすことを念頭に入れている。
ロイターによると、ポストを新設したのは事実だが、何を議論していくかは現時点で決まっていないという。8日には金融庁内にデジタル・分散型金融企画室が新設されており、新たな陣容でデジタル通貨に関する協議を行なっていく構えだ。
財務省と金融庁は、今春に日銀が設置した「中央銀行デジタル通貨に関する連絡協議会」に参加している。デジタル通貨を対象に全国銀行協会などの関連団体とも議論を重ねているが、省庁内に専門の担当者を置いておく必要があると判断したようだ。
デジタル通貨の是非を巡っては、6月に開催されたG7財務大臣・中央銀行総裁会議で、「法律や規制、監視面で十分に対処されるまではサービスを開始すべきではない」との共同声明が出されている。
7月9日から10日にかけて開催されたG20でも、世界共通のステーブルコインについて言及されていた。G20では、世界共通のステーブルコインについて「適切な設計や適用される基準の遵守を通して、関連するすべての法律および規制、監査の要件を満たしてから開始されるべき」との見解が示されている。
いずれも現時点では時期尚早との見方がされていると言えるだろう。一方で、各国ではCBDCの調査および開発が進められており、国際的な見解と各国の動きとで小さくない乖離が見られている。
デジタル通貨には、暗号資産やステーブルコイン、CBDCなどが含まれており、それぞれに異なる特徴を持つことから当局は対応に追われている。
【参照記事】財務省がデジタル通貨対応で体制強化へ、近く予算要求=政府筋
株式会社techtec リサーチチーム
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