米フロリダ州のマイアミ市が、市の職員への給料をビットコインで支払えるようにする法案を2月12日に可決した。これにより、希望者は給料の一部または全部をビットコインで受け取ることができるようになる。
本法案は、市長であるFrancis Suare氏が自ら提案していたものだ。昨今のビットコイン価格高騰を受け、新たな選択肢を提供する試みとなっている。
マイアミ市では、職員への給料支払いだけでなく行政手続きの手数料や納税といった場面でもビットコインを支払いに使用することができるという。市長は、法案の可決に際して次のようにコメントした。
「マイアミ市が『暗号資産先進都市(Crypto-Forward City)』となることは素晴らしいことです。この方針に同意してくれた委員会の仲間たちに感謝したいと思います。」
今回の取り組みは、新型コロナウイルスの影響で大手テクノロジー企業がシリコンバレーから地方へ拠点を分散させる中、マイアミ市をハイテク都市にしようとする挑戦の一環だと報じられている。
市長によると、将来的には投資のポートフォリオを多様化させ、その一部をビットコインに変えていく可能性もあるという。
米国では、各自治体が比較的独立した法制度を整備している。2月3日には、ワイオミング州で自律分散型組織(DAO)を法人として認める画期的な法案が提出されていた。2020年9月にも、大手取引所Krakenが米国初となる暗号資産銀行としてのライセンスをワイオミング州で取得している。
なお、今回の法案に関連して日本でも給料をビットコインで支払うことはできないのかという意見が出ている。日本における暗号資産関連の法規制は、基本的に資金決済法か金融商品取引法が該当する場合が多い。
しかしながら、給料に関しては労働基準法が対象になる点に注意が必要だ。前提として、労働基準法では給料を通貨で支払わなければならないと定められている。しかしながら、労働基準法では暗号資産は通貨として定義していないため、原則的に給料を暗号資産で支払うことはできない。
ただし、労働組合と協議し労働協約を締結していれば、例外として給料を暗号資産で支払うことは可能だ。
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