ブロックチェーン分析サイトMessariが、NFT(Non-Fungible Token)に関する包括的なレポートを3月9日に公開した。レポートは、「NFTの特徴」「NFTを発行する方法」「NFTの事例」「NFTに対する誤解」といったテーマから構成されている。
レポートでは、NFTの特徴を次のように紹介した。
- 一意でありブロックチェーンで検証可能
- 永続性のある情報とデータを持つ。この情報にはメッセージや画像、音楽、署名、その他のデータを含めることができる
- NFTは単なるコードである。そのため、いかようにでもプログラムすることが可能
- パーミッションレス
- 所有権が本人に帰属される
NFTを発行するための方法については、次のように説明されている。
- NFTを作成する対象を決める。対象はビジュアルファイル(JPG、PNG、GIFなど)や音楽ファイル(MP3など)、3Dファイル(GLBなど)が可能
- ウォレットを設定する。多くはイーサリアム対応のものである必要があり、ウォレットを使用してNFTマーケットプレイスに接続する(アカウントを作成する)
- NFTを作成するには少量のイーサリアム(ETH)を用意しておく必要がある。このイーサリアムは手数料として使用される
- マーケットプレイスにウォレットを接続した上で、ファイルをアップロードする
NFT市場には、既に多くのサービスが提供されている。レポートによると、主要な領域として「アート」「デジタルトレーディングカード」「追跡性と信頼性を保証したデジタル証明書」「ゲームアイテム」「ドメイン名」「コンテンツ」「トークン化された高級品」「金融商品」「イベントチケット」「ソーシャルメディアでの投稿」があげられた。
レポートの最後では、NFTに対する一般的な誤解についても説明されている。
アート作品のスクリーンショットを撮ることは可能
NFTに紐付けられたからといって、アート作品などのコピー(スクリーンショット)が不可能になるわけではない。コピーに価値を見出す人もいるのがアートだという。
NFTの価値はどのように評価されるか
NFTの真の価値はまだ明確化されていない。ビットコインがそうであったのと同様、時間の経過と共にNFTの価値は決まっていく。
NFTロイヤリティはどのように機能するか
ロイヤリティにはオンチェーンとオフチェーンが存在する。オンチェーンで完結するものであればスマートコントラクトによって自動的にロイヤリティが発生する。(例:二次市場での売買報酬)一方で、音楽が再生される度にロイヤリティが発生する、といった場面では何かしらのオフチェーンコンポーネントが必要になる
なぜデジタル所有権が重要なのか
デジタル世界の規模が大きくなるにつれ、現実世界と同様にデジタルコンテンツが誰のものかという証明は重要な意味を持つようになる。デジタル所有権は、個人が生み出す価値が実際に制御可能であることを保証する。
【参照記事】Explain it like I am 5: NFTs
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