バンク・オブ・アメリカの投資銀行部門メリルリンチとリーマン・ブラザーズでのアナリスト経験を持つジェフ・ドーマン氏(以下、ドーマン氏)は5月24日、「米国ではIEOが明らかに有価証券に該当するにも関わらず、SECによって認可されていない取引所がブローカーやディーラーを行っている」と発言した。Ethereum World Newsが報じている。
IEO(Initial Exchange Offering:イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)では、トークンを特定の取引所に委託して資金を調達する。IEOはICO(Initial Coin Offering:イニシャル・コイン・オファリング)とは異なり、発行者が存在することからICOに変わる資金調達手段として注目を集めており、BinanceやHuobiなどの海外取引所では自社トークンを積極的に開発している。IEOの参加者は、購入したいIEOトークンを販売する取引所に口座を開設さえすれば、トークンを購入することができる。IEOトークンは取引所への上場が決定しているため、取引所への上場を目指すICOトークンよりもリスクが低いことが特徴だ。
Ethereum World Newsによると、IEO市場では2019年3月から4月にかけて推定1億7,500万ドル以上の純利益が上がったという。世界最大級の仮想通貨取引所でIEOの先駆者としても知られるBinanceは「BitTorrent」のIEOによって720万ドルの売り上げを出しており、IEOが注目を集めたことでBinanceが発行する取引所トークンも急成長を遂げている。
IEOがICOに変わる資金調達手段として注目を集める一方、ドーマン氏はIEOのリスクも指摘している。同氏によると、IEO参加者はIEOのリスクと仕組みを理解せず、価格上昇から取り残されることを理由にIEOを購入している可能性もあるという。ICOにおいても、プロジェクトについて正しく理解しないまま、資金を投じる投資家が多いことが指摘されていた。ICOよりも投資リスクが低いとされているIEOだが、どんな投資においてもリスクはゼロではない。仮想通貨にはいまだに国際的なルールが定められていないため、投資家は自分が投資するプロジェクトがどのような目的で何を実現するのかを見定め、自己の責任で資金を投じることが求められている。
【参照記事】Analyst: IEO Tokens are Unregulated Securities

立花 佑

最新記事 by 立花 佑 (全て見る)
- 写真投稿者へは証明書としてNFT発行!NFT活用した実証実験を白馬村で開始 - 2023年3月29日
- FiNANCiEでトークン発行型のクラウドファンディングを開始した「ROBOT PILOT PROJECT」について解説 - 2023年3月27日
- ブロックチェーンによる「応援金が届いたこと」を見える化する、タドれる応援プロジェクト! - 2023年3月27日
- 広島県神石高原町がふるさと納税のガバメントクラウドファンディングでKawaiiGirlNFTとコラボ! - 2023年3月16日
- WAKONプロジェクトがFiNANCiEでトークン発行!伝統工芸次世代継承トークンとは? - 2023年3月13日