米SEC理事クリプトママがDeFiの魅力と課題についてスピーチ、ロースクール生に規制のあるべき姿を語る

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クリプトママの愛称で知られる米証券取引委員会(SEC)理事のHester Peirce氏が、DeFiの魅力と明確な法規制の必要性について語った。2月22日に、ジョージワシントン大学のロースクールにて開催されたカンファレンスに登壇している。

「Atomic Trading」というタイトルで行われた今回の講演では、冒頭でゲームストップ株の問題に触れる形で市場の複雑さについて言及した。Peirce氏によると、SECはこの問題をまだ整理しきれていないといい、新たな規制についても整備する必要があるかどうか議論しなければならないと意見している。

Peirce氏はDeFiについて、ゲームストップ株の問題などが起きたことで人々は既存金融を廃止するよう求めるようになったと述べた。代わりに、スマートコントラクトによる透明性のある自動執行に需要が集まっているという。

「DeFiは暗号資産の貸出や取引、投資を容易にします。DeFiユーザーは、カウンターパーティではなくスマートコントラクトを信頼するようになりました。現時点では様々な苦労と苦痛に直面していますが、金融の民主化、オープンアクセス、透明性、予測可能性はDeFiの魅力そのものです。」

Peirce氏はこのように述べ、今月公開された米連邦準備制度理事会のセントルイス支店銀行のDeFiに関する調査レポートを引き合いに出し、現在起きているイノベーションは有望であると強調した。

一方で、DeFiの抱える課題についても言及し、「セキュリティの脆弱性」「スケーラビリティ問題」「偽の分散化」などについて問題点を指摘している。その上で、規制に対する考え方を次のように述べた。

「私たち規制当局は、潜在的な市場の長所と短所を考慮して、DeFiがCeFiと競争して投資家に金融サービスを提供できるよう法的な明確さと自由な検証の両方を整備する必要があります。」

Peirce氏はイノベーションに対する自身の考察として、テクノロジーによって新たな投資家が市場に流入し、これまで資金調達が困難であった企業や起業家に資本をもたらすことができると説明している。

なお、今回の講演はSECを代表するものではなく、あくまでPeirce氏個人の意見だと釈明した。

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【参照記事】George Washington University Law School Regulating the Digital Economy Conference

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株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec