水・衛生(WASH)分野の国際イニシアティブであるグローバル・ウォーター・チャレンジ(GWC)は8月29日、米穀物大手カーギルと提携を強化すると発表した(*1)。3年間で500万ドル(約7億円)を拠出し、5大陸にまたがる水問題の多面的な解決策の提供を試みる。
パートナーシップ・プラットフォームCargill Currentsは、世界中のコミュニティの健康と生活を支援し、流域で暮らす人々の健康を促進し、水の安全保障を向上させることを目的とする。
同プラットフォームは今後、これまでの実績を基に、水と衛生(WASH)へのアクセス向上、気候変動への回復力の向上、農家の生活改善、女性の地位向上など、様々なベネフィットをもたらす解決策を優先する。水ストレス地域における流域住民の健康と持続可能な農業への取り組みも引き続き支援していく。
Cargill Currentsは、コミュニティや流域における水へのアクセス、利用可能性、水質の問題など、各地域特有の水のニーズに対応するために、状況に応じたアプローチを採用している。この取り組みは、2030年までに事業、サプライチェーン、地域社会全体でウォーターポジティブを達成するというカーギルの目標をサポートするものだ。世界各地の地域社会で安全な飲料水へのアクセスを改善することに重点を置いている。
同プラットフォームは21年の発足以来、ブラジル、カメルーン、ガーナ、コートジボワールの68のコミュニティにおいて、WASHアクセスの改善により13万5,000人以上にポジティブインパクトをもたらしてきた。24年末までに15万人にベネフィットをもたらす見込みであり、30年までに50万人が安全な飲料水と衛生設備を利用できるようにするというカーギルの目標に大きく貢献する。
具体的な取り組みとして、ブラジルでは現地パートナーであるChildFund、IPESA、Parceiros Voluntarios、World Visionの支援を受け、同国のCargill Currentsは給水システムと衛生施設を建設中だ。8つの市町村と流域コミュニティの飲料水へのアクセスを大幅に改善すると期待されている。24年末までに、ブラジルのCargill Currentsを通じて 5万人以上の人々にポジティブインパクトをもたらす見込みである。
ブルガリアではBulgarian Biodiversity Foundation(BBF)の支援を受け、Cargill Currentsは気候変動に対する回復力とソフィアの農村部における水不足の課題への取り組みに焦点を当てている。6つのコミュニティにおいて、地元でチェシマと呼ばれる公共水飲み場と2つの非常に小さな湿地の再生などを行う。これらの取り組みを通じて、水へのアクセスと気候変動へのレジリエンスを向上させ、約25,000人がベネフィットを享受すると期待されている。
【参照記事】*1 グローバル・ウォーター・チャレンジ「Global Water Challenge and Cargill Expand Partnership Across Five Continents to Address Water Challenges」
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