米国株式市場は8月1日に大幅な下落を記録した。同日、連邦準備理事会(FRB)は10年半ぶりの利下げを決めたが、パウエル議長は「今回の利下げが長期の利下げ局面の始まりではない」と発言し、これを受けて株価は軒並み急落したとロイターが報じている。
ダウ平均株価が大幅に下落していた同じ頃、ビットコインは価格を上昇させ、強気に転じた。この2つの市場がFRBのニュースに反応しており、ビットコインにとって何を意味しているのかと、海外メディアNEWSBTCが焦点を当てている。
トランプ大統領は8月2日に、9月1日から3,000億ドルの中国製品に10%の追加関税を発動させるとツイッター上で発言したことで、米中貿易摩擦の激化が懸念され株式市場に影響していると見ている。これに伴い、ドル円は前日比1円40銭円高・ドル安、1ドル=107円30銭まで急落した。貿易戦争を取り巻く懸念の高まりや米経済が抱えるリスクが投資家の不安を後押しし、株を売却する傾向にあるという。
また避難資産と捉えられているビットコインにとって今は好都合であると、同メディアは言及している。ビットコインと金は並んで上昇しており、ビットコインは金のデジタル版として注目されている、その証拠として相関価格の動きが示され、両者には多くの類似点があるという。NEWSBTCによると「仮想通貨市場の低迷に直面にしていたビットコインは、ついに金のデジタル代替品としての真骨頂を示す時である」とし、「ブロックチェーンの原案者であるサトシ・ナカモトはこうなるよう設計していたのかもしれない」と言及している。また株式市場で不安要素がある限り、避難資産として注目されているビットコインはこれから強気で動き続けることができ、多くの人がそれを想定し世界的な代替通貨になると述べている。
金融政策に影響を受けやすい株式市場に対して、金と同様の性質を持つ避難資産として注目されているビットコインの値上がりは、デジタルフィアットの重要性を色濃くした。仮想通貨投資家にとっては、理由はともあれビットコインが注目されれば利益に繋がると考えることもできるが、いまだにビットコインが金のような安全資産であるかどうかについて懐疑的な人々も多いことを忘れてはいけないだろう。
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立花 佑
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