EU議会の暗号資産規制草案から、Proof of Work(PoW)型暗号資産の利用を禁止する条項が削除されたことが3月1日に分かった。
PoWはビットコイン(BTC)をはじめとした数多くの暗号資産に利用されているコンセンサスアルゴリズムだ。BTCではPoWを導入することで絶対的な改ざん耐性とコインの二重支払いの防止を実現している。
PoWでは、新しいブロックを生成するためにナンスと呼ばれる数値を探し出すマイニングという難しい計算が必要だ。そのため、Proof of Stake(PoS)やProof of Authority(PoA)などと比較して電力の消費が非常に大きな点が課題である。
2月末にEU議会に提出された暗号資産規制草案「Markets in Crypto-Assets(MiCA)」には、「環境的に持続不可能なコンセンサスアルゴリズム」を利用する暗号資産を禁止する条項が盛り込まれていた。「環境的に持続不可能なコンセンサスアルゴリズム」にはPoWが該当するとされる。
MiCAが承認された場合、2025年1月1日からビットコインなどのPoW型暗号資産がEU内で禁止になるのではとの懸念が広がっていた。
今回、草案が修正され、PoW型暗号資産の禁止に関する条項が削除された。ドイツの暗号資産メディアであるBTC-Echoが報じ、ECON(EU議会経済通過委員会)の代表であるStefan Berger氏が3月1日に確認している。なお、削除された理由については明らかになっていない。
Berger氏は、2月28日に予定されていた法案についての投票を延期していた。その理由は、PoW型暗号資産の禁止につながる条項に対して多くの反発を受けたからだとみられている。
Berger氏の事務所は米メディアThe Blockの取材に対し、「新たな投票日は2~4週間後、3月14日か4月上旬になる予定だ。それまでの間、法案が大きく変わることはないだろう。投票を通過した場合、法案は議会だけでなく、EU委員会と理事会を含めた3者で議論されることになる。」と答えている。
【参照記事】EU Lawmakers Drop Bitcoin ‘Ban’ From Draft of Crypto Regulations
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