エルサルバドル政府が独自のデジタル通貨を発行する計画を立てていることが明らかとなった。現地メディアが7月16日に報道している。
世界で初めてビットコインを法定通貨として認める法案を可決したエルサルバドルで、新たな動きが浮上しているようだ。「コロン・ドル」と呼ばれるデジタル通貨を2021年末までに発表する可能性を示唆している。
コロン・ドルは、ステーブルコインの仕組みを活用したデジタル通貨であり、暗号資産ウォレットで管理することができるという。エルサルバドルのナシブ・ブケレ大統領の兄弟イブラヒム・ブケレ氏とユセフ・ブケレ氏が構想を立てているとのことだ。
コロンは、2001年時点で撤廃されたエルサルバドルの法定通貨であり、コロン・ドルは米ドルを担保資産として発行されるステーブルコイン型デジタル通貨になる。政府が無償で提供する暗号資産ウォレット「Chivo」で取り扱う予定だ。
現地メディアの報道によると、コロン・ドルの構想は破棄されたとも記載されているが、別の情報筋では現在も計画は進められているとしている。
エルサルバドルでは、ビットコインを法定通貨として採用することを決めたことで、ビットコインを使用するためのインフラ整備が急ピッチで行われている。6月25日には、全国民に対して30ドル分のビットコインを無償配布することを発表し、合わせて暗号資産ウォレットChivoも提供すると説明していた。
エルサルバドル国民は、ビットコインの使用および保有の義務はないとされている。そのため、日本政府はビットコインを外国通貨とは認めない見解を明示している。日本政府による発表は次の通りだ。
「外国通貨とはある外国が自国における強制通用の効力を認めている通貨と解される。ビットコインは公開されているエルサルバドル共和国のビットコイン法において、その支払いを受け入れる義務が免除される場合が規定されており、当該外国通貨には該当しない」
エルサルバドルにおけるビットコイン法の施行は9月7日を予定している。
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