エルサルバドルのNayib Bukele大統領は、11月1日の記者会見で同国のビットコイン信託の余剰資金を活用した新たな公共事業として、20校の学校を建設することを明らかにした。学校では、ビットコインの専門教育が行われる。
Bukele氏は、10月9日にもビットコイン信託の余剰資金を使った公共事業として、「Chivo Pets」という動物病院を設立する方針を明らかにしていた。Chivo Petsは、12のクリニックと4つの緊急外来および手術室、リハビリエリアなど幅広い機能を備える予定だという。
動物病院と学校の両公共事業に関してBukele氏は、これらの公共事業費がエルサルバドルの国家予算や国民の税金に「1セントも触れていない」ことを明らかにし、エルサルバドルのビットコイン法によって実現したものであると強調している。
ビットコイン信託とは、国民がビットコイン取引を行えるようにすると共に、必要に応じてBTCをドルへと自動かつ瞬時に交換できるようにする代替手段を提供するためのシステムである。ビットコイン信託は、8月末の設立当初では1.5億ドル規模になるとされていた。
ただ、9月末から10月にかけてのビットコイン高騰に伴い、ビットコイン信託内に400万ドルの含み益が発生していた。会計上は全てドル建で計算するため、ビットコイン信託を運営するChivo社は同量のビットコインを維持し、利益分と同等の米ドルを利用することで、信託の金額に影響を与えることなく、400万ドルを利用することが可能になったというわけだ。
Bukele氏は、「ビットコインの価値が上昇する限り、今後ビットコイン信託の余剰資金を活用した事業は増加していくだろう」と述べている。
エルサルバドルは政府は、ビットコインを正式に購入した世界初の国としても有名である。ビットコイン法が施行された9月には、合計700BTCを購入している。また、10月末には420BTCを追加購入していた。これにより、現時点での同国のビットコイン購入量は1,120BTC(約6,900万ドル)に達している。
今後もエルサルバドル政府によるビットコインの追加購入は行われることが予想できる。また、ビットコインの価格動向次第では、ビットコイン信託の含み益を利用した公共事業への投資増加など、国策にビットコインを活用することも続くだろう。
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【参照記事】El Salvador’s Bukele announces new bitcoin education project
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