全人口の何%が仮想通貨を保有しているのだろうか。アメリカではこの疑問について何回か調査が行われているが、それぞれが出す結果にバラつきがある。そもそも調査方法の正確さからして疑問符がつく場合もあるため、どれかひとつの調査を鵜呑みにせず、複数を見比べて大まかな傾向を把握するのが良い活用の仕方だろう。
Cointelegraphの記事では、Finderが今年2月に行った調査、Global Blockchain BusinessとSurvey Monkeyが今年1月に行った共同調査、そして昨年8月にLENDEDUが行った調査を比較している。どの調査もアメリカ国民を対象に行われたが、Finderによると仮想通貨の所有者は全体の7.95%、Global Blockchain Businessの共同調査によると5%、LENDEDUによると13.99%と、やはり結果にバラつきがある。
同記事によると上記の3つの調査のうち、重み付けという手法でサンプルを抽出していることがわかっているのはGlobal Blockchain Businessの共同調査のみで、Finderは行っていない、そしてLENDEDUについては不明、とのことだ。重み付けとは、調査サンプルが予測対象の人口と同じ構成になるようにサンプルを調整することを指す。実際の人口分布に合わせているぶん、重み付けを行ったほうがより正確な結果が出ることとなる。
とはいえ、不確かな面があるFinderやLENDEDUの調査結果からも、仮想通貨の所有者についてある程度の傾向はうかがい知ることができる。例えば男性のほうが女性より所有する人が多い、ミレニアル世代のほうがジェネレーションXより所有する人が多い、といった結果は両調査に共通していた。
所有者の割合の他にも、Finderでは「仮想通貨を購入しない理由」、LENDEDUでは「将来的にビットコインに投資したいか」などの項目についても調査をしているため、興味のある人はそちらを参照されたい。いずれにしてもCointelegraphの記事でも述べられているように、性別や人種など多数の要因に対して重みを調整した、より信頼性の高い調査が求められている。それが仮想通貨の正しい理解に繋がるのではないだろうか。
【参照記事】How Many Americans Really Own Crypto, Skewed Results of Polls and Surveys
【参照記事】Why haven’t we all bought cryptocurrency yet?
【参照記事】Bitcoin’s Present (and Future) Role in the American Economy
【関連記事】仮想通貨の一覧・まとめ
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木村つぐみ
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