金融庁は仮想通貨交換業等をめぐる諸問題について制度的な対応を検討するため「仮想通貨交換業等に関する研究会」を設置し、第1回会合を4月10日に開催した。
この会合において、日本暗号資産取引業協会は「仮想通貨取引についての現状報告」という資料を提出した。同資料では、仮想通貨の国内外の取引状況とセキュリティや顧客管理などの業務実態が掲載された。
資料によると、5年間でグローバルの仮想通貨市場は約27兆5000億円まで成長していること、また、国内での取引層は20代から40代までが約90%を占めていることがわかった。
まず、グローバルの取引状況について、ビットコインの一日あたりの取引量推移をみると2014年3月31日と2018年3月31日を比較すると4年で約167倍に増加し、取引量上位通貨5つのうちビットコインが約67%を占める。
そして、ビットコインの価格は、2014年3月31日から2018年3月31日までの4年で約16倍まで増加した。
さらに、ビットコインのウォレット数は2014年3月31日から2018年3月31日までの4年で約16倍まで拡大した。なお、オフラインウォレットであるコールドウォレット(ハードウェアウォレット、ペーパーウォレット等)の数は含まれていない。
続いて、国内の取引状況については、現物取引は18.39%、証拠金・信用・先物取引は81.61%、日本国内での取引量は現物以外が8割以上を占める。
年代別顧客層の分布をみると、20代〜40代で約90%を占めている。証拠金等取引については現物取引と比べ40代、50代の割合が高い。
預かり資産額の分布をみると、全体の約90%は50万円未満で、約77%が10万円未満となっている。
入出金状況については、2017年12月は前の月と比べ10倍近く入金額が伸びていた。2018年に入り、市場価格の下落は続くが口座からの入出金はほぼ均衡している。
今後、仮想通貨の盗難や消失リスクをはじめとした不安要素の解消に向け取引環境が整備されることにより、新たに仮想通貨市場への参入者が増え、市場規模が拡大するか、期待がかかる。
【参照ページ】仮想通貨取引についての現状報告
【参照ページ】事務局説明資料
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