仮想通貨イーサリアムの共同創業者であるヴィタリック・ブテリン氏が、イーサリアム専用ASICの有用性を失うハードフォークの提案に反対している。
3月30日、イーサリアム開発者の一人であるPiper Merriam氏が、イーサリアムの改善提案である「イーサリアム・インプルーブメント・プロポーザル(EIP)」をGithub上で開いた。ビットコインなどの仮想通貨のマイニング専用チップの販売を行うBitmain社がイーサリアムのマイニングASIC「AntMiner E3」を発表したことを受け、ASICのパフォーマンスを制限するためのハードフォークを行う可能性について提唱したのだ。ツイッター上でもこの議論について投票形式の質問が行われ、57%が賛同している。
しかし、ヴィタリック氏としては、イーサリアムの長期的なロードマップにはPoWからPoSへの移行がすでに含まれているため、現時点での大規模なアルゴリズムの変化を望んでいないようだ。同氏は、従来のGPUベースのイーサリアムマイニングと比較して、ASICの広告仕様が約250%の効率係数を示していたことを踏まえ、ASICのハードフォークには積極的には賛成できないと述べる。
ヴィタリック氏は「すべての機能を今アップグレードしてしまうと、混乱を招き、重要視すべきポイントを損なう可能性が高い。だから、私は現時点でのアップデートはしないつもりだ。最悪のケースは、BitMainがある一定期間イーサリアムネットワークの大部分をコントロールするようなことだ。」と発言し、続いて「もし彼らが過半数のハッシュパワーを持って悪用しようとしても、こちらは開発速度を上げて対応するだけだ。」
ヴィタリック氏の意見がどうであれ、イーサリアムコミュニティが求めた場合には、ASICマイナー対抗策をとることはできる。今ハードフォークすべきか、それともPoSへのアップデートを待つべきか。続報が待たれる。
【参照サイト】Ethereum Founder Buterin Advises Against Declaring War on Ethash ASIC Miners
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