株式会社デジタルガレージの子会社で、フィンテック分野におけるブロックチェーン金融サービス事業を展開する株式会社Crypto Garageは4月19日、ビットコイン決済の仮想通貨デリバティブ(金融派生商品)取引に向けたP2Pプロトコルを開発した。
同社が発表したP2Pプロトコル「P2P derivatives」は、取引当事者間のカウンターパーティーリスクを解消するとともに、契約コストを低減することで、より多くのプレイヤーが取引に参画することを可能にする。仮想通貨の市場はこれまで投機目的で運用されていたが、「P2P derivatives」の発展によりリスク管理の手段が増えることで仮想通貨市場がより安定した市場になり、国際取引における決済手段としてビットコインの利用促進が進んでいくことが期待されている。
同社は、今後デリバディブ契約の種類を拡大する予定で、Blockstream社が提供するサイドチェーン決済ネットワーク上のビットコインに裏付けされたトークン(LBTC)や、ステーブルコイン、セキュリティー・トークンなどをサポートする予定だ。また、当事者間で合意済みのデリバティブ取引内容をスマートコントラクト化するアプリケーションを2019年内に提供予定だという。
これに伴い、Crypto Garageは、ブロックチェーン関連技術の開発を手がけるBlockstream社と米ドルに対するビットコイン価格変動リスクのヘッジを目的とし、ビットコイン価格を事前に固定するデリバティブ取引を締結している。
仮想通貨におけるデリバティブには、仮想通貨FXや先物、信用取引などがあり、昨今のレバレッジ倍率規制に伴い、「デリバティブ取引=投機」という印象すらある。しかし、デリバティブには機関投資家などの大口がリスクを回避するためのオプションとして利用する金融取引としての側面ももつ。こうした投資環境が整備されることで、ビットコイン市場が整備され、再び暗号資産が注目されていくことも考えられる。同社の動きはもちろん、仮想通貨市場の今後の進展に注目していきたい。
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立花 佑
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