DAO専用の会計ソフトCoinbooksは3月18日、シードラウンドの資金調達を発表した。調達額は320万ドルとされている。
今回のラウンドに参加したのは、Y Combinator、Multicoin Capital、Lattice Capital、Seed Club Ventures、OrangeDAOなどのベンチャーキャピタルおよび、Polygon創業者などの個人投資家になるという。
Coinbooksは、Arnav Bathla氏により創設されたサンフランシスコを拠点とする会計ソフトウェアのスタートアップである。今年の2月には、プレシードラウンドで70万ドルを調達していた。今月のはじめには250万ドルを追加調達しており、計320万ドルの資金調達としてこのタイミングで発表されている。設立後、わずか3ヶ月という短期間での資金調達となった。
暗号資産の会計管理は日々複雑化しており、多くの課題が残されている分野だと言える。DeFiやNFTなどの取引量が取引量が膨大になった際に、既存の会計ソフトでは対応し切れず、正確な税務申告が困難な状況となっている。さらにDAOとなると、世界的にみても正しい会計管理ができているものは少ないだろう。
Coinbooksでは、既存の会計ソフトが銀行口座との統合を前提にしており、銀行口座を持たないDAOでは使用できないことを課題視していたという。具体的には、トランザクションを手動で会計ソフトに打ち込む必要があり、無数に生じるトランザクションの全てを管理することは現実的ではないという。
こういった状況から、Coinbooksでは既存の会計ソフトと暗号資産ウォレットを統合することで、DAOにおけるトランザクションと一般的な商取引を一括で管理するツールを開発。DAOにおけるさまざまな金銭の移動に対応できるサービスを目指すとのことだ。
DAOは昨年急激な成長を遂げ、AUM(運用資産残高)は昨年12月時点で160億ドルを超えているという。また、DAOの参加者は約170万人に及ぶといい、継続した拡大を記録している。
【参照記事】Coinbooks raises $3.2 million to build accounting software for DAOs
株式会社techtec リサーチチーム
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