DACスタートアップのクライムワークス、レゴグループと9年間の炭素除去契約を締結。

大気中の二酸化炭素(CO2)を分離・回収するスイスのスタートアップであるクライムワークス(Climeworks)は3月26日、デンマーク玩具大手レゴ(LEGO)グループと、9年間にわたる炭素除去契約を締結したと発表した(*1)。

クライムワークスは今回、レゴグループと240万ドル(約3.6億円)規模の炭素除去契約を締結したほか、レゴグループの持ち株会社カークビ(KIRKBI)とも40万5,000ドル規模の長期契約を結んだ。

レゴグループのチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)を務めるアネット・ストゥーベ氏は「子供たちに健全な地球を受け継いでほしい。私たちは、2020年に科学的根拠に基づく排出量削減目標を発表した最初の大手玩具メーカーであり、私たちが直面する課題に対する革新的な解決策を見出すことで、今後も業界をリードし続けたい」と述べた(*1)。

クライムワークスは、空気中のCO2を回収するダイレクト・エアー・キャプチャー(DAC)技術を有するグリーントランスフォーメーション(GX)関連のスタートアップだ。大気中のCO2を検証可能な形で除去し、企業にとって排出削減が困難なCO2に対処できるよう支援する。

クライムワークスによると、商業運転を開始した世界唯一のDAC+S(DACと貯留)施設を有しており、モジュラー式のためスケーラビリティもある。(*2)。同社のDAC技術は第三者機関のDNVより認証を取得していることから、一定の信頼性を担保し、質の高い炭素クレジットを創出している。

今回、長期契約を締結したレゴグループとカークビは、クライムワークスが50年までにメガトン、最終的にはギガトン規模のCO2を除去する取り組みを加速させるための重要なイネーブラー(支援者)となる。

23年1月には、クライムワークス初の法人顧客である米マイクロソフト、カナダのネット通販支援大手ショッピファイ、米オンライン決済ストライプの3社と、DACによる炭素クレジットの売買契約を締結した。

クライムワークスは急速に事業を拡大しており、23年には同社が手掛ける3つのDACハブ・プロジェクトの全てが米エネルギー省(DOE)の助成金対象に選ばれた。また、米国ビジネス誌Fast Companyの「World’s Most Innovative Companies for 2024(世界で最も革新的な企業)」の1社として選出されている。

24年5月には、2つ目の大規模なDAC・炭素貯留施設「マンモス(Mammoth)」を立ち上げる予定だ。国際展開の一環として、カナダとケニアでもプロジェクトを推進していく方針である。

【参照記事】*1 クライムワークス「Climeworks signs 9-year agreement with the LEGO Group and KIRKBI
【参照記事】*2 クライムワークス「Lead the race toward net zero with Climeworks.

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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