新型コロナウイルス対策で遠隔医療の導入が加速。ブロックチェーンが技術躍進の鍵を握る

プライベートなビデオ通話など医療サービスのリモート提供を指す遠隔医療の実用化が近年進んでいる。特に新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、ここ数週間に前例にない程需要が高まっている。一方、複数の技術会社がブロックチェーン駆動の遠隔医療を開発しており、近い将来にブロックチェーン普及のきっかけになるのではないか。米国のビジネスニュースメディアDecrypt Mediaが3月24日、伝えている。

トランプ政権は3月17日、米国の公的医療保険メディケア・メディケイドの受給者が医療施設を訪問することなく医療サービスを受けられる遠隔医療補償の拡大を発表した。人と人との間隔を一定程度あける「社会的距離」政策の一環で、メディケアセンターが臨床医の費用を負担し、全国の受益者に遠隔医療サービスを2020年3月6日から提供していた。

サイバーセキュリティとコンプライアンス基準を定めるA-LIGNのBalise Wabo局長によると、病院や検査室を経由した感染を懸念する市民に治療を受けられる体制を用意するため、多くの州で遠隔治療のテスト制限を撤回し始めている。パンデミック中のデータ収集・追跡、パターン予測と拡散抑制、そしてより迅速に治療法を見出すため、より体系的なトレースシステムが必要となる。ブロックチェーン技術は、患者の個人情報を保護しながら相互通信を行うソリューションになるとWabo氏は指摘した。

遠隔治療の1つの利点は、外出して面と向き合わなくとも問診を受けられることだ。ブロックチェーンヘルスケアレビューの創設者であり、米国各地のがん患者に的確な薬を配送するInternamountain Health CareのシニアビジネスアナリストのBrennan Bennett氏は、遠隔医療が医療費削減にも役立つと指摘する。

いくつもの技術会社がこうしたブロックチェーンの利点を認識し、薬品や医療機器のサプライチェーンや保険申請、症状や診断結果の管理などのブロックチェーンシステムを開発し始めている。Wabo氏は、世界中の医師がMyClinic.com上にバーチャル診察室を設置して、Medトークンを保有するユーザーの遠隔問診ができるMedicalchainを例示した。またBennett氏は、トークン化されたDNAマーケットプレイスEncrypgen、AI型コンサルティングサービスMedvice、仮想訪問アプリPointNurseなどのブロックチェーン型遠隔医療サービスを挙げている。

Wabo氏はブロックチェーンの遠隔医療との親和性に注目しており、パンデミックに対処する上で必要な技術飛躍の鍵になると述べている。より効率的なシステムが感染拡大を封じ込めるのに役立つ洞察と統計を提供し、安全な行動と取るべき対策を市民に届けると期待がかかる。

【参照記事】Coronavirus could be the tipping point for blockchain-powered telemedicine

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高橋奈夕

高橋奈夕

国際基督教大学4年。NYに支社を置くブロックチェーン専門のベンチャーキャピタルで半年以上インターンとして勤める。バイリンガルを生かして海外の記事を翻訳し、よりよい情報を国内に広めることにコミットしている。