イーサリアムが予定していた大型アップデート「Berlin(ベルリン)」をブロックナンバー12,244,000(4月15日)のタイミングで実装した。ガス代の調整やネットワークの使用効率の改善などが行われている。
Berlinでは、主に5つのEIPと各コードがクライアントに統合されているかどうかを示すチェックリストで構成されていた。
- EIP-2565:ModExp Gas Cost(プリコンパイルにおけるガス代の定義)
- EIP-2315:Simple Subroutines for the EVM(EVMのシンプルサブルーチン)
- EIP-2929:Gas cost increases for state access opcodes(State Accessオペコードにおけるガス代の増加)
- EIP-2718:Typed Transaction Envelope(将来的な新しいトランザクションタイプを定義)
- EIP-2930:Optional access lists(オプションのアクセスリスト)
このうち、EIP-2315に関しては実装されず、最終的には4つのEIPが反映される形となった。
イーサリアムには、ローンチ当初よりいくつかの大型アップデートが予定されており、ネイティブトークンEtherの分裂を伴わないハードフォークが継続的に行われている。今回のBerlinに続くのは、7月頃を予定しているLondonだ。
Londonでは、注目のEIP-1559が実装される予定となっており、イーサリアムにおける1つの重要なマイルストーンとなっている。
なおBerlinの実装後、一部のノードがネットワークに同期できない不具合が発生した。クライアントソフトの1つであるOpenEthereumを使用するノードを中心に、大手分析サイトEtherscanなどで不具合が生じていたと報告されている。
イーサリアムのような分散型ネットワークにとって、クライアントソフトは非常に重要な役割を持つ。ノードとしてネットワークに参加する際になどに使用されるため、クライアントソフトの正常稼働なくして安全なネットワーク環境は成立しない。
Berlinは元々2020年7月の実装を予定していたが、アップデートが特定のクライアントソフトに依存していたため、分散性を担保すべくマルチクライアントが整備されるまで待つ意思決定が行われていた。
今回の不具合も、OpenEthereumの正常稼働を待ってから、各取引所が入出金を再開するなどしている。なお、不具合は既に解消済みだ。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】Berlin Hard Fork Goes Live, Promises to Reduce Sky-High Ethereum Gas Costs
仮想通貨取引を始めるなら
株式会社techtec リサーチチーム
最新記事 by 株式会社techtec リサーチチーム (全て見る)
- 米Coinbase、NFTマーケットプレイスのβ版をリリース - 2022年4月25日
- イーサリアムが初の年間レポートを公開、16億ドルの財源やETH総発行量の0.3%を保有していることが明らかに - 2022年4月21日
- Meta、メタバースでのクリエイター向け販売手数料を47.5%に設定 - 2022年4月20日
- イーサリアム「The Merge」の実施が2022年後半に延期 - 2022年4月19日
- 「フォートナイト」運営のEpic Gamesにソニーが大型出資、メタバース事業に注力へ - 2022年4月15日