GMOインターネットグループ傘下の米GMO Trustが、世界初の円建てステーブルコインを発行するための資金管理企業としてZero Hashを選定したことを4月14日に発表した。
GMO Trustは、3月2日より米国銀行法規制に準拠した世界初となる日本円連動のステーブルコイン「GYEN」の発行を開始している。現時点では、日本国内居住者は販売対象外となっているものの、将来的には日本に逆輸入したい構えだ。
GYENは、日本円に連動する形で価格変動が抑えられているステーブルコインであるため、発行するには担保資産となる日本円が必要になる。今回は、その担保資産を管理するための提携先としてZero Hashを選定したという発表だ。
Zero Hashは、複数の法定通貨に対応した決済ネットワークを展開する金融プロバイダーであり、近年はデジタルアセットへの対応に注力してきた。今回の提携により、日本円と米ドルの即時決済も可能になる。
また、Zero Hashの顧客はGYENを使った資金調達や預金の引き出し、決済などができるようになるという。従来の国際送金や決済には数日から数週間かかることがあったものの、Zero Hashに対応したGYENを使うことでこの問題は解消されると言及している。
GMO Trustによると、機関投資家の多くは現状の日本円が対応している取引時間に不満を持っているという。GYENであれば、クロスボーダー取引をリアルタイムで実現することができるため、機関投資家に対して満足度の高い送金体験を提供できるとした。
日本の現行法では、法定通貨建てのステーブルコインは暗号資産として定義されていないため、日本の取引所がステーブルコインを取り扱うことはできない。GMOインターネットグループは、国内に暗号資産取引所GMOコインを運営しているものの、GYENの発行および管理は米国で行う形となっている。
暗号資産のボラティリティが大きくなるにつれ、ステーブルコインの需要は増す一方であり、今や世界中で発行されるステーブルコインの総額は250億ドルに及ぶという。
【参照記事】GMO-Z.com Trust Company – Medium
株式会社techtec リサーチチーム
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