ステーブルコインTetherの発行・管理を行うテザー社が、ニューヨーク司法当局(NYAG)からの求めに対して財務記録を提出したことがわかった。ニューヨーク郡裁判所が1月19日に明らかにしている。
裁判所が公開した資料によると、テザー社は提出が必要な書類の大部分を完成させているものの、追加の資料を作成するには数週間が必要になると主張しているという。
今後の流れについては、約30日後に裁判所へ状況報告をすること、未解決事項を議論するための会議予定を立てることの二つが説明されている。現時点では、現状維持のステータスで裁判所とテザー社は合意していると補足された。
ニューヨーク司法当局は、かねてよりステーブルコインTetherの裏付け資産に関する財務書類の開示請求を行なっている。Tetherの時価総額が1月23日時点で240億ドルを超えていることから、その裏付け資産の存在に懸念が抱かれていた。
この件に関して、Tetherの裏付け資産を管理するバハマのDeltec銀行で副最高経営責任者を務めるGregory Pepin氏が、次のように述べている。
「ステーブルコインTetherの裏付け資産は全て存在しています。そして、Tetherが市場に流通するよりも裏付け資産の方が多い状況です。資産管理は我々が担当しているため、それが確実であることがわかります。」
この発言は、著名ジャーナリストLaura Shin氏が運営するPodcast「Unchained Podcast」で1月22日に放送されたものだ。
Tetherの裏付け資産を管理するDeltec銀行は、2020年中に顧客の預かり資産を使ってビットコインに投資していたことを明らかにしている。この資産にTetherの裏付け資産は含まれていないとしたものの、仮にTetherの裏付け資産がビットコイン投資に使用されていた場合、ステーブルコインTetherの価格を示す根拠が無くなってしまうことを意味する。
【参照記事】裁判所の公開資料
【参照記事】Is Tether a Fraud? Its Bank Says It’s Not – Ep.161
仮想通貨取引を始めるなら

株式会社techtec リサーチチーム

最新記事 by 株式会社techtec リサーチチーム (全て見る)
- 米SEC理事クリプトママがDeFiの魅力と課題についてスピーチ、ロースクール生に規制のあるべき姿を語る - 2021年2月26日
- ビットコインを電子マネーにチャージしてそのまま支払い、楽天ウォレットが新サービスを開始 - 2021年2月26日
- GMOがタイで暗号資産取引所「Z.com EX」を開始 - 2021年2月25日
- 米国の4分の1が既に暗号資産に投資、世代別の傾向や投資しない理由も明らかに - 2021年2月24日
- 日本銀行、2021年春にCBDCの実証実験第一弾を開始 - 2021年2月24日