仏資産運用・保険大手アクサ・グループの投資顧問会社アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社(以下、アクサIM)は5月6日、医薬品アクセス財団(Access to Medican Foundation)とパートナーシップを結び、同財団に50万ユーロを寄付したと発表した。資産運用会社として初めて同財団をスポンサーし、関係を強化した。寄付金はCovid-19等の感染症・流行病の予防及び対応に関する「医薬品アクセス」活動に充てられる予定。また、同日付けでSDGs(持続可能な開発目標)に沿ったプロジェクトを支援するため、インパクト戦略の運用管理費用の5%を慈善団体に寄付したことも発表した。
厚い支持基盤を持つ同財団だが、アクサIMは「世界人口の50%が医療に対する適切なアクセスを持っておらず、現在の投資水準では感染症対策に不十分」と指摘。同社は健康に関するインパクト投資およびエンゲージメント活動の一環としてこれまでも同財団に関与しており、ESG調査・エンゲージメント統括責任者の高月擁氏が、同財団が主導する2つのリサーチプログラムの1つ「医薬品アクセスインデックス」運用評価委員会に参加している。
また、インパクト戦略の運用管理費用の5%については、社会的インパクトを伴うソリューションの開発を目的とした追加プロジェクトに使用される。同社は長期的に社会にプラスの影響を与えるために、インパクト戦略についてのフィランソロピーメカニズムも開発しており、企業やプロジェクトへの投資を通じて、社会や環境に直接的かつ測定可能でポジティブな影響を与えるとともに持続可能な経済の重要テーマを発掘し、リターンの獲得を目指す。同社では、責任とインパクトを含めた戦略に対する投資家の意欲が高まっていると見ており、チャリティメカニズムをインパクト戦略に織り込むことで、顧客の期待に応えるとともに、個人やコミュニティ、社会に直接的なインパクトを与えていくとしている。
医薬品アクセス財団は、途上国に充分な医療・医薬品が行き届かない問題を改善し、薬に耐性のある感染を制限するため、医薬品企業がより大きな役割を果たすよう促すことを使命とする独立系の非営利組織。オランダに本拠を置き、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、オランダ外務省、オランダ厚生・スポーツ省、英国国際開発省が資金提供している。また、合計で14兆ドル超の資金を運用する100超の機関投資家が、同財団を支援するための投資家声明に署名している。
アクサIMはアクサ・グループの一員で、プライベートエクイティ投資からグリーンボンドおよびソーシャルボンド、上場株式・債券などさまざまなインパクト戦略を運用している長期のアクティブ運用会社。2020年3月末時点で約8,040億ユーロの運用資産残高を有し、20ヵ国28拠点において2,360名余の従業員を擁し、グローバルな事業を展開している。
【関連サイト】アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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