二酸化炭素(CO2)回収スタートアップAvnosは2月6日、シリーズA(資金調達ラウンド)で3,600万ドル(約53億6,000万円)を調達したと発表した(*1)。調達した資金を元手に、北米および欧州全域に同社の独自技術であるハイブリッド・ダイレクト・エア・キャプチャー(HDAC)を展開し、ニューヨーク市郊外に最先端の研究開発施設も設ける計画だ。
Avnosは、独自の素材とプロセスを用い、大気からCO2と水を同時に回収するHDACのパイオニア企業である。このプロセスでは加熱が不要で、CO2を1トン回収するごとに約5トンの水を生成する。同社の環境に配慮した技術は、HDAC施設周辺の地域社会への影響を軽減すると共に、雇用機会の拡大にもつながる。
数百万ドル規模の新しい研究開発施設は、最高クラスの設備とインフラを備え、HDAC技術の展開を加速させる。この20,000平方フィート(約1,858平方メートル)の施設は、2024年2月に完全に稼働し、新たに20人の従業員を雇用する予定だ。
Avosのウィル・ケイン最高経営責任者(CEO)は「弊社のHDAC技術を活用することにより、ギガトン規模のCO2を除去する世界最高のチャンスをつかめると見ている」と述べた(*1)。
今回の投資ラウンドは、ネクステラ・エネジー・リソーシズの子会社が主導した。同社は風力と太陽光による再生可能エネルギーの世界最大の発電事業者であり、蓄電池の世界的リーダーでもある。
その他にも、仏航空機エンジン大手サフランのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるサフラン・コーポレート・ベンチャーズ、シェルのCVCであるシェル・ベンチャーズなどが加わった。
ネクステラ・エナジー・リソーシズの戦略・製品ソリューション担当バイスプレジデントを務めるリック・クラーク氏は「風力・太陽光発電をAvnosの技術と組み合わせることで、脱炭素化が困難なセクターからの排出を削減する実行可能な選択肢を提供できる。再エネ発電と貯蔵を補完する脱炭素ソリューションの包括的ポートフォリオに、DACを加えることを引き続き検討する」と述べた(*1)。
今回の資金調達は、シェル・ベンチャーズ、コノコフィリップス、グランサム財団などからの出資、ならびに米国エネルギー省(DOE)および米国海軍研究局(ONR)とのパイロット・プロジェクトを補完するものでもある。
【参照記事】*1 Business Wire「CORRECTING and REPLACING Avnos, Inc. Secures $36 Million in Series A Funding Led by NextEra Energy Resources」
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