米アマゾン・ドット・コム(ティッカーシンボル:AMZN)は9月、新たに71件の再生可能エネルギー関連プロジェクトを開始すると発表した(*1)。これらのプロジェクトが稼働することで、毎年、米国の460万世帯の電力需要を賄うのに相当する5万ギガワット時のクリーンエネルギーを生みだす見込みだ。
世界最大級の再生可能エネルギー購入企業として、アマゾンは21ヶ国で合計379件の関連プロジェクトに投資する。そのうち154件が風力・太陽光発電所、225件がルーフトップ型太陽光発電プロジェクトになり、累計容量は18.5ギガワットにのぼる。2021年末までに、事業運営の85%を再生可能エネルギーで賄っているという。
新たな投資案件には、同社にとって初となる南米ブラジル、インド、ポーランドでの太陽光発電所プロジェクトが含まれる。エネルギーの調達において経済的・環境的・社会的インパクトの最大化をはかるべく、クリーン・エネルギー・バイヤーズ・インスティテュート(CEBI)の「ビヨンド・メガワット・イニシアチブ」にも参画する。
アマゾンウェブサービス(AWS)のアダム・セリプスキー最高経営責任者(CEO)は「我々は新たな風力・太陽光発電プロジェクトを、オフィス、フルフィルメントセンター(物流・配送拠点)、データセンター、店舗の電力として利用する。25年までに事業に必要な電力を100%再生可能エネルギーで賄うという目標の途上にある」と述べた(*1)。
アマゾンは脱炭素化に向けた取り組みを加速させる。19年には40年までのカーボンニュートラル実現にコミットするイニシアチブ「Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」を共同で立ちあげた。同イニシアチブにはマイクロソフト(MSFT)やペプシコ(PEP)、ユニリーバ(UL)、ビザ(V)など、375社以上の企業が署名する。脱炭素化に資するサービスやソリューション開発に投資する20億ドル(約2,900億円)規模の「Climate Pledge Fund」も設立した。
8月には、米燃料電池システム開発プラグ・パワー(PLUG)と、25年より年間10,950トンの「グリーン水素」を調達する契約を締結(*2)。アマゾンは40年までにネットゼロエミッション(温室効果ガス(GHG)排出量の実質ゼロ)の達成を目指すなか、グリーン水素を輸送および施設業務に活用する方針だ。
【参照記事】*1 アマゾン「Amazon Announces 71 New Renewable Energy Projects Globally, Including Firsts in Brazil, India, and Poland」
【関連記事】*2 アマゾン、25年よりグリーン水素を年1万トン調達へ。プラグ・パワーから
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