【仮想通貨取引所の元トレーダーが解説】仮想通貨のトレードで利益を出すためにチャート分析より重要なこと

今回は、仮想通貨トレードのポイントについて、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 投資をする上で覚えておくべきこと
  2. 自分自身を理解した後にすべきことは
  3. 仮想通貨市場の取引で考えるべきこと
  4. 利益を出すために重要なことはエントリーのタイミングではない

仮想通貨市場が活況を見せる中、トレードで何が重要なのか模索しているトレーダーや投資家は多いでしょう。色々な本を読み漁り、聖杯を探し求める投資家も少なくありません。

仮想通貨市場は、株式や債券といった他の市場と比較すると流動性が薄いマーケットです。そのため、一般的な投資商品とは異なった特徴があります。

しかし、投資において共通していることは多く、「仮想通貨だから」という偏見は捨てていいと筆者は考えています。それでは、仮想通貨市場においてトレードで利益を出すために何を行うべきなのか、筆者のトレーディング経験を交えて解説したいと思います。

①投資をする上で覚えておくべきこと

相場の世界で生きてきたトレーダーとして言えることは「正解はない」ということです。

最初の投資初心者の方はどうしても「勝てるトレードってどのような手法だろう?」と思う方がほとんどだと思います。手法に目が行きがちであり、手法を徹底して勉強してトレードしてみるというステップを踏むことが初心者のやりがちな行動パターンでしょう。

筆者から見れば、大事な部分が抜け落ちたまま走り出していると感じます。大事な部分とは自己分析を行なっていないことです。料理を例にして説明したいと思います。

ミシュラン3つ星のシェフがレシピを公表し、気になった方がシェフの調理道具や具材を購入して挑戦したとします。果たして皆さんはこのシェフと同じ味や質の料理を作り出すことができるでしょうか。当然回答は「NO」です。

この調理道具やレシピ、具材はある意味トレーディングにおける手法と同じです。プロがやってきた手法を聞いて、実践したとしても使いこなせる手法ではないことは容易に想像できるでしょう。聞いたり理解するだけならとても簡単ですが、その裏には色々なリスク管理の考え方、自分自身のメンタルコントロールを組み合わせながら、そのプロのトレーダーはその手法に行き着いたわけです。

その手法はつまりそのプロのトレーダーの性格やスタイルにマッチしているため、利益を出すことができるということになります。そのためトレードで大事なことは手法の前にまずは自分自身がどんな人間なのか、どんな性格なのか理解してみるということです。

自分自身を膨張して理解してはいけません。自分自身の弱いところを特に集中して分析して、認めることが大切です。人間は悪いところを認めたくない生き物です。しかし誇張したスタイルや楽観的に自分自身を捉えても自己満足で終わるだけであり、それはなんのメリットもありません。そのような分析はトレードに全く活かすことはできないため注意しましょう。素直に誠実に自分と向き合ってください。

分析した後に「意外と弱い人間だったんだ」と落ち込む方もいるかもしれませんが、そのように認めることはとても大切なので悪いことではありません。むしろトレードを通じて人間的にも一歩成長できるのではないかと思います。

②自分自身を理解した後にすべきことは

自分自身を自己分析して深掘りし、ある程度性格を客観的に理解したところで次のステップに進みます。性格とは千差万別であり人それぞれ異なります。

次に行うべきことは気分の赴くままにトレードを自由に行い、取引に対しての感情の揺れ動きを自分で理解してください。ちょっと利益が出たら「利益確定したい」とか、損失が出ると「損切りしにくいなー」とか、なんでも結構です。そのような感情の揺れ動きを書き出して課題を見つける作業が必要になります。

覚えて頂きたいことは「短気な性格の方は短気トレードは向かない」ということです。短気な方というのはポジションを保有するとすぐに利益が出ないかと気になってしまう性格です。しかし相場は水物であり、自分が買った瞬間から上昇するというのようなラッキーは起きません。

しかし、短期な方はそのような動きを期待してしまい、少しでも利益が出ると利益確定したくなる傾向があります。また損失が出始めると「また戻ってくるだろう」という根拠のない楽観論でポジションを保有し続け、損切りも行わずそのままロスカットということになる場合もあります。短気な方は要注意と思ってください。

まずは中長期的なトレードからスタートし、またルールを自分自身の中でしっかりと決めてトレードすることが大切です。これは短気な方に関わらず全ての投資家に言えることなので必ずルーティーン化しましょう。

大事なことは性格の弱点を発見して対応することです。性格を変えることはできませんが、性格を客観的に分析してトレードで不利となる点を洗い出し、しっかりと対処することが大切なことになります。

特に仮想通貨市場は値動きが大きくレバレッジをかけると、たった一日で全資産を失うことも往々にしてある市場です。そのためしっかりと自分自身でコントロールする必要があります。このことは手法よりも大切なのです。

それでは次に、仮想通貨市場に焦点を当ててトレードで利益を出すためにどうすれば良いかを解説します。

③仮想通貨市場の取引で考えるべきこと

ビットコイン価格はここ数か月で大幅に値上がりしており、Twitter等では莫大な利益を上げたことを声高に吹聴している方も見受けられます。しかし、これに扇動されず自分のスタイルを貫き通すことが大切です。

あくまで淡々とトレードに取り組み、利益をコンスタントに積み上げることが重要です。他人の発言に惑わされ、一攫千金を狙うことのないようにしてください。

私自身もTwitterで発言したりしますが、常に内容の通りになる訳では決してありません。SNS上には参考になるツイートもたくさんありますが、完全にコピーして取引するような真似は止めておいた方が無難です。

仮想通貨市場はこれまでに見たことがない程の上昇率を見せており、この点に魅力を感じて参入している個人投資家もたくさんいます。しかし、それと同じように逆方向に向かう可能性もあるのです。反対サイドのリスクを理解せずにトレードすることは絶対に止めましょう。

仮想通貨は特にリスク管理が難しい市場です。筆者自身も最初はリスク管理を失敗して大損したことがあります。常に淡々と計画通りにトレードすることが大切です。

④利益を出すために重要なことはエントリーのタイミングではない

このタイトルを見られて「どういう意味だ?」と思われる方もいるでしょう。もちろんエントリーのタイミングも大事です。しかし、利益を出すために最も重要なことは資産管理であり、リスクコントロールだと考えています。

相場は一方向に動き続けることはありません。上昇したらいずれ下落し、下落したらやがて上昇に反転するものです。つまり、『その上下動のリズムを捉えリスクを数値化して管理すること』が重要です。これは大きな損失をなるべく回避する方法です。

筆者はテクニカル指標を使わずにトレードすることがあります。単純に値幅とリズムでトレードをしているということです。それだけ相場のリズムを把握することは大切であり、手法以上に大切だと認識してもらいたいと思います。是非一人でも取引の参考になれば幸いです。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12