NFTはそれぞれ異なるバックグラウンドやユーティリティ(用途)、ビジョンを持っている。アートコレクションとなるNFTもあれば、ゲーム内で使えるアイテムをNFTとして販売するプロジェクトもある。
ハリネズミをモチーフにした「Hedgies(以下、ヘッジー)」は、DEX(分散型取引所)のdYdXが販売する独自のNFTだ。取引所が販売するNFTならではの特典を備えており、多くの優秀なトレーダーが所有している。
しかし、ヘッジーのポテンシャルは、既存の特典に留まらない。本当に注目すべきなのは、dYdXのコミュニティではさまざまなユーティリティ付与が議論されている点だ。
本稿では、分散型取引所dYdX独自のNFT「Hedgies(ヘッジー)」を期待される今後の可能性と併せて解説する。
目次
1. 分散型取引所dYdX独自のNFT「Hedgies(ヘッジー)」とは?
dYdX独自のNFTヘッジーは、ハリネズミをモチーフにした4,200体のユニークなイーサリアムベースのNFTである。「ユニーク」なNFTとは、デザインにおいてそれぞれが異なる色や特徴を持ち、同じデザインが存在しないNFTであることを指す。
2022年2月1日にヘッジーNFTのミント(販売)が開始。計2,443体のヘッジーがミントされた。残り1,757体のNFTは、dYdXを利用するトレーダーに配布される。2022年2月8日からトレーダーが一日のPNL(実現損益/%)を競うデイリーコンペティションが102週間に渡って開催されることが決められており、1日1体のヘッジーが最も高い利益率を上げたdYdXのトレーダーに配布される。
また、PNL(実現損益/%)とは、ポートフォリオの資金の上限率を意味しており、獲得した収益額が少額であっても割合が高ければコンペティションで優勝するチャンスがある。
アーティストのArek Kajda氏とAnna Kajda氏が、ヘッジーNFTのデザインを担当。ヘッジーの売買取引額の2.5%が、ロイヤリティとしてアーティストに支払われる仕組みだ。
2022年2月1日にミントを開始して以来、暗号資産トレーダーやNFTファンを中心に話題となり、ユーティリティ(用途)や特典を持つNFTとして安定した人気を誇っている。
2. ヘッジーが持つ2つの特典
全てのヘッジーが異なるデザインを持つことから、TwitterやDiscordのプロフィール画像に設定することが可能であり、これが一つ目の特典である。
プロフィール画像にNFTを設定するメリットは計り知れない。まず、自分の興味がある分野を主張することで、仲間を増やす役目を持つ。例えば、ヘッジーをプロフィール画像に設定するユーザーには、トレーダーが多い。なぜなら、ヘッジー自体が分散型取引所dYdXのNFTであり、優秀なトレーダーには成績に応じて無料でヘッジーが付与されているからだ。
さらに、ヘッジーの2つ目の特典として取引手数料の割引がある。この取引手数料の割引は、dYdXを使用するトレーダーにとって有益な特典である。
2022年12月時点、月総額10万ドル以上のトレーディングには手数料が発生する。以下の画像の左が手数料、右側がdYdXガバナンストークン所有者の手数料割引一覧だ。
dYdXのガバナンストークンであるDYDXを所有する額に応じて、3%から最大50%の取引手数料割引となる。さらにヘッジーを所有する場合は、割引率がワンランクアップする。例えば、1,000 $DYDXを所有する場合5%の手数料が割引となるが、ヘッジーを所有する場合はワンランク上のクラス10%割引が適用となる。
NFTでは、同じプロジェクトのNFTを持つ人を相互フォローすることが多い。同じ分野に興味を持つ人がツイートやリツイートする内容は、自分にとって有益である場合があるからだ。さらに、互いのNFTの価値を知る仲間としてコミュニケーションをとったり、プロジェクトが主催するイベントで実際に会う楽しみもある。
3. DAOが決めるNFTのユーティリティ
複数の特典を持ち合わせたNFTヘッジーだが、ユーティリティ(活用方法)や特典が今後追加される可能性がある。今後の成長が期待できるNFTである。
そもそもdYdXは分散型取引所であり、2023年に完全分散化(V4)を目指している。完全分散化とは、中央組織を排除し、dYdXのユーザーやガバナンストークンDYDX所有者からなるDAOによって運用されることを意味する。
dYdX DAOでは、dYdXの改善案を提出しコミュニティで議論が行われる。改善案や具体的なプロセスが決まったら、投票が行われ、可決した場合には変更が実装される。
提出可能な改善案は、dYdXのNFTヘッジーも対象である。つまり、NFTヘッジーに特典や用途を追加したい場合、誰でもアイデアを公開し、投票を行うことが可能なのだ。すでに、dYdXの完全分散化を達成した後のヘッジーの用途などが議論されている。
上記ではNFTヘッジーの管理手段として「マルチシグ(複数署名)」の追加が提出され、投票が行われた。マルチシグは、マルチ(複数)シグニチャー(署名)を意味する。通常の暗号資産やNFTの送付に必要な署名は一度であるのに対して、マルチシグでは、複数の署名を必要とする。
これにより、マルチシグが追加された暗号資産やNFTは、他と比較してセキュリティが向上。近年相次ぐハッキングや盗難被害が問題視されているため、資産やNFTをどのように保管するかが課題となっている。
マルチシグは、セキュリティ問題改善への具体的な装備の一つであると言えるだろう。また、上記の提案のように、複数人で配布用のNFTや資金を保管する場合にも役立つ。
今後もより具体的なヘッジーのユーティリティ追加が議論され、投票で可決すれば実装される可能性がある。まさにヘッジーは、発展途上のNFTプロジェクトである。
最後に
ユーティリティを持つNFTは、そうでないNFTと比較して弱気相場の現在でも安定した人気を誇っている。dYdXのヘッジーは、複数のユーティリティに加えて、今後の成長が期待できる。
ヘッジー所有者やdYdXのユーザー自身が、積極的に改善案を提出することが可能であるためだ。現在、ヘッジーのミントは終了しているが、NFTマーケットプレイスOpenSeaにて二次流通しているヘッジーを購入することができる。
【参照URL】Hedgies – Collection | OpenSea
dYdX財団
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