今回HEDGE GUIDEではトレードログ株式会社への単独インタビューを行い、創業のきっかけと歴史から、事業やプロジェクト、将来のビジョンについてお話を伺いました。
話し手:トレードログ株式会社 創業者/代表 藤田 誠広 氏
インタビュー概要
- トレードログを創業したきっかけと歴史
- トレードログの強み
- 現在トレードログが行っている事業と注力しているプロジェクト
- トレードログとして目指すべき将来のビジョン
- 読んでいただいてる方にフランクなメッセージを!
1.トレードログを創業したきっかけと歴史
高校・大学時代から環境問題や市場経済の今後のあり方に強い関心がありました。大卒後にシベリア鉄道に乗って旧共産圏が負けた理由について考えたり、時給が上がらない派遣社員も3年間経験しました。その後、会社員時代に主に大手製造業のブランドマーケティングを支援する中で、近代の市場社会が大きな曲がり角に来ていることを改めて実感しました。
商品を神秘のベールで包み、売り手と買い手との間に「情報の非対称性」を設けることを「ブランディング」と誇る時代が長らく続きましたが、近年はそういった手法は「不正の温床」「不透明」と叩かれるようになりました。売り手と買い手、そして社会の三者間で必要十分な情報を対等に共有する、そんな新しいマーケティングコミュニケーションを模索する中でブロックチェーン技術に出会い、この新技術が大手企業を内側から徐々に変えていけるのではないかと思い、トレードログ株式会社を創業するに至りました。
2.トレードログの強み
当社は実体経済や非金融領域へのブロックチェーン適用を専門としたインテグレータです。総合的なインテグレータ、暗号資産系ベンチャーと違い、主に3つの強みがあります。
- 暗号資産のボラティリティに乗じたビジネスは一切行なっておらず、あくまでも実体経済や非金融領域へのブロックチェーン適用に専門特化している点。
中でも秘匿型ブロックチェーン、特にQuorumに関しては国内でも屈指の開発実績があると自負しています。最近ではKuberenetesも活用した柔軟な設計支援も行い、高い評価をいただいております。 - マーケティングやIoT(センサー、RFID等)など関連する領域も視野に入れた提案ができる点。
例えば、多くの企業では「偽造品対策ができる」ということばかり主張しますが、当社ではどうお客様に使ってもらうか?どうデータを取得していくか?などの点までご支援しております。 - ベンダーロックインにハメないので、価格競争力がある点。
多くの大手ベンダーでは独自クラウド、独自ブロックチェーン基盤、独自ミドルウェアのいずれかを売ることで高コストかつ後々の切替が不能な提案を行うケースが散見されます。しかし、当社ではAzureやAWS等の主要なクラウド、OSS基盤にこだわって提案しております。また独自ミドルウェアもあくまでも開発コストを落とすために利用しております。
3.現在トレードログが行っている事業と注力しているプロジェクト
現在、トレードログでは、ブロックチェーンの裾野を広げるべく、企業様の事業化を段階的に支援できるよう、以下のように各フェーズ毎に切り分けてご支援しています。
- 「セミナー・担当者育成」
- 「事業化に向けたフィージビリティスタディ・プロジェクト推進支援」
- 「PoCやMVPの支援」
- 「本番開発→本番運用」
注力しているプロジェクトとしては、当社YUBIKIRIをマルチクラウド対応化するプロジェクトを進めております。これにより対応できるお客様が広がります。
4.トレードログとして目指すべき将来のビジョン
当社では「失敗のない市場」をビジョンとして、あらゆる取引に情報の非対称性、不合理・不平等がない状態を作ることを目指しております。
例えば、環境負荷などのブランドプロミスがどの程度達成されているかを可視化する、実体経済において安心して暗号資産決済ができるようにする、台帳の検収照合や突合における不合理を解消する等、様々な取り組みを進めています。
このビジョンの実現に向けて、当社では非金融領域ブロックチェーンに関わるインテグレーターとして、国内屈指の存在を目指しています。将来的には海外への事業展開も視野に入れております。
5.読んでいただいてる方にフランクなメッセージを!
従来は暗号資産やブロックチェーンというと金融経済の文脈で語られることが多かったかと思いますが、当社では実体経済・非金融領域に如何にして適用していくかに注力しています。地味な領域ですが、様々な業種・立場の方々と対話・取組を通じて、ひとつでも多くのブランド課題・社会課題を解決していければと考えております。もしも何かピンとくるところがございましたら、お気兼ねなくお声がけください!
【公式サイト】トレードログ株式会社
中島 翔
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