2021年7月、国内で最初のIEOとしてCoincheck(コインチェック)が「パレット(PLT)」のIEOを実施しました。NFTに特化したパレット・ブロックチェーン上では、現在までにNFTマーケットプレイスが複数誕生しています。そこで今回はパレット(PLT)と、パレット・ブロックチェーンを利用した NFT マーケットプレイスについて解説します。
目次
- 仮想通貨PLT(パレット)のIEOについて
1-1.パレットブロックチェーンと仮想通貨PLT(パレット)
1-2.株式会社Hashpaletteについて
1-3.日本で最初のIEOでリリ―スされたPLT - パレットブロックチェーンの特徴
- 仮想通貨PLT(パレット)の役割
3-1.仮想通貨としての基本スペック
3-2.仮想通貨PLT(パレット)のユーティリティ - パレットを利用したNFTマーケットプレイス
4-1.「studio 15 market for NFT」
4-2.「CREPOS NFTマーケット(仮)」 - まとめ
①仮想通貨PLT(パレット)のIEOについて
まずは、仮想通貨PLT(パレット)のIEOについて解説します。
1-1. パレットブロックチェーンと仮想通貨PLT(パレット)
パレットは株式会社Hashpaletteに制作された、NFTに特化したプライベートブロックチェーンです。そして仮想通貨PLT はパレットブロックチェーン上のガスの支払いやノード運営のインセンティブに使用されるトークンです。仮想通貨PLTの発⾏には、パブリックブロックチェーンであるイーサリアムが採⽤されています。
1-2. 株式会社Hashpaletteについて
株式会社Hashpaletteはブロックチェーン分野のコンサルティングとシステム開発を行う株式会社HashPortのNFT関連子会社として2020年3月に設立されました。
親会社である株式会社HashPortは2018年7月に設立され、海外ブロックチェーンプロジェクトの日本展開や仮想通貨の新規取扱いに関するコンサルティングなどを行ってきた会社です。東大発のブロックチェーンベンチャーのフレッセ株式会社と株式交換により経営統合し現在に至っています。
1-3. 日本で最初のIEOでリリ―スされたPLT
仮想通貨PLTは、Coincheckで実施された日本初のIEOに参加した投資家に初期分配されました。IEOとは「Initial Exchange offering」の略で、プロジェクトがトークンの新規発行をする際に取引所を通して資金を集める仕組みです。株式公開における証券会社のように、仮想通貨取引所が投資家とプロジェクトを仲介します。IEOは上場前のプレセールスにあたり、IEO後に仲介をした仮想通貨取引所に上場されるのが通例です。CoincheckでもIEO後にPLTの取引市場が開設されています。
②パレットブロックチェーンの特徴
パレット・ブロックチェーンはデジタルアイテム(NFT)の発行・流通管理を目的としており、ユーザーはパレットを使用してNFTの所有権の移転やアプリケーションでの活用に自由に利用できます。
パレットは、JPモルガンが開発したプライベートチェーンで「Quorum」で構築されるプライベートチェーンを利用しており、ノード運営をパレットエコシステムのパートナー(パレットコンソーシアム)に限定することで少数ノードによる⾼速な処理を可能にします。これにより、イーサリアムをプラットホームで発生しているガス代(手数料)の高騰などの課題を解決します。
パレットでNFTを利用する一般ユーザーには、NFT移転時にかかるガス代を無料にする仕組みを取り入れるなどNFT利用ユーザーにとって使いやすい設計にしています。さらにはイーサリアム以外のネオやオントロジーといったクロスチェーンインフラの整備とパレットチェーンの仕様変更に関するガバナンス機能などを取り入れ分散的なコンソーシアムの構築を行っています。
③仮想通貨PLT(パレット)の役割
3-1. 仮想通貨としての基本スペック
まず、パレットトークンの仮想通貨としての基本スペックは以下の通りです。
- ティッカーシンボル・・・「PLT」
- トークン規格・・・ERC20
- 現在の価格・・・51.3355円(2021年12月18日現在)
- 過去最高価格・・・98.89円(2021年8月23日)
- 発行上限・・・10億PLT
- コンセンサスアルゴリズム・・・PoA(Proof of Authority)
- 購入可能な仮想通貨取引所・・・コインチェック
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3-2. 仮想通貨PLT(パレット)のユーティリティ
仮想通貨PLTはパレットのエコシステムで使用されるユーティリティトークンです。パレットエコシステムにおけるコンセンサスノードの運営報酬の支払い、スマートコントラクトの発行手数料の支払い、NFT売買の決済、ガバナンス投票権などの用途で使用されます。パレットのプラットフォームは、マンガ・アニメ・スポーツ・音楽といったエンターテイメント領域におけるデジタルコンテンツの発行・管理・流通に特化し、コンテンツのNFT形式での流通に最適化されたブロックチェーンネットワークとして作られています。
初期の段階ではイーサリアム、ネオ、オントロジーの3つのブロックチェーンネットワークとのクロスチェーンに対応しており、発行したNFTはこれらのブロックチェーンネットワークでも相互利用可能が可能です。
④パレットを利用したNFTマーケットプレイス
2021年11月上旬にパレットブロックチェーンがNFTマーケットプレイスの「studio 15 market for NFT」に採用されましたが、新たに「CREPOS NFTマーケット(仮)」にも採用されることになりました。
4-1.「studio 15 market for NFT」
パレットトークンと利用した初のNFTマーケットプレイスとして、国内でTikTokクリエイターマーケティングを行っているstudio15による「studio15 market for NFT」に採用されることが決まっています。
同社の発表によると「今後世に羽ばたくクリエイターのNFTを扱うことで、素晴らしい作品や才能を多くの人に届け、クリエイターの応援を実現可能とし、早期に応援した購入者側も経済的なリターンが得られるようなマーケットプレイスとしていくことをコンセプトとしています。」との事です。
11月中旬ローンチ予定とされていましたが、12月18日時点でローンチ出来ていないようです。ただ、この発表がされた11月4日にPLTの買い圧力となっています。つまり、ローンチのタイミングで、このNFTマーケットプレイスに魅力的なコンテンツが揃っていれば、実需的な意味でもPLTの買い圧力が再び増すことが予想されます。
4-2.「CREPOS NFTマーケット(仮)」
パレットブロックチェーンを利用した2番目のNFTマーケットプレイスとして、誕生する予定のサイトが「CREPOS NFTマーケット(仮)」です。
このNFTマーケットプレイスでは、運営元となるアイフリークスマイルズのデジタルコンテンツサイト「デココレ」の絵文字・スタンプや、電子絵本アプリである「森のえほん館」で活躍するクリエイターによるNFT作品を展開する予定です。
また、他のNFTマーケットプレイスにはあまりない特徴として、HashSuiteの機能を活用した「NFTプレゼント」や「ファンとのコミュニケーション機能」なども設置される予定です。将来的には、CREPOS NFTマーケット(仮)に参加するクリエイターのNFTアートをMetaverse上で展示・販売する新サービスなどが検討されています。
⑤まとめ
パレットトークンの取り扱いは現在のところCoincheckのみですが、他の仮想通貨取引所でも上場されるとなると価格に影響することが期待できます。パレットトークンに興味を持たれた方は、今のうちからCoincheckでの購入を検討しても良いかもしれません。
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中島 翔
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