今回は、ポルカドットのパラチェーンについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- ポルカドット(DOT)の基礎知識
1-1.ポルカドットとは?
1-2.ポルカドットプロジェクト
1-3.ポルカドットブロックチェーンの特徴 - WEB3.0を支えるポルカドットのパラチェーン
2-1.パラチェーンとは? - ポルカドットの今後と購入方法
3-1.ポルカドットの今後
3-2.ポルカドットの購入方法 - まとめ
GMOコインやビットフライヤーでも取り扱いのある仮想通貨ポルカドットについて、パラチェーンの展開がいよいよ本格的に進められています。取り組みには日本の仮想通貨関連企業やEnjinプロジェクトも参加を表明しており、テストが成功すればWEB3.0の世界の実現にまた一歩近づく事になります。
ポルカドットは、時価総額が2021年2月に仮想通貨市場全体の4位になるほど注目されていますが、このテストが成功を収めることで、第三世代の仮想通貨としての性能を証明することが出来そうです。
そこで今回は、そのポルカドットに関する基本的な事項と、パラチェーンの革新性について、また、ポルカドットの将来性と購入方法について解説します。
①ポルカドット(DOT)の基礎知識
まず初めに、ポルカドットの基礎的な知識について解説します。
1-1. ポルカドットとは?
ポルカドットは2016年11月にスイスにある「Web3 Foundation」によってホワイトペーパーがリリースされました。
ポルカドットの中心メンバーはイーサリアムの共同創設者でスマートコントラクトコーディング言語のSolidity(ソリディティ)を開発したギャビン・ウッド博士ら3人により創業されました。
ポルカドットは、スケーラブルなマルチチェーンの最初の発案ともいえるアイデアで、その後のブロックチェーン技術に大きな影響を与えています。
1-2. ポルカドットプロジェクト
ポルカドットプロジェクトは、中央集権的な性質の強いWeb2.0の世界から、ブロックチェーン技術を利用して分散型のインターネットシステムを構築し、個人情報の保護などプライバシーを守れるインターネットの世界を確立することを目的としています。
その為には、作為的に情報を扱うことのできる中央管理者が介在しない分散型のブロックチェーン技術が必要です。さらには、異なるブロックチェーンが稼働する中でそれぞれの情報が相互に運用可能となることで、完全に分散化されたプライベートWebを確立します。そのソリューションとして構築されているのが、ポルカドットのブロックチェーンです。
1-3. ポルカドットブロックチェーンの特徴
ポルカドットはその革新性から、ビットコインの第一世代、イーサリアムの第二世代に次いで第三世代のブロックチェーンに数えられます。
①工程を分けるコンセンサスアルゴリズム
ポルカドットのコンセンサスアルゴリズムは、BABE(ベーブ)とGRANDPA(グランパ)を組み合わせた特殊なアルゴリズムが使用されています。これは、ブロック生成の前半がBABE、最終工程にGRANDPAを使用する方式です。
全体としてはPoSに近い仕組みですが、ポルカドットのトランザクションを実行するには、DOT保有者に役割を割り当て、ネットワークに貢献したDOT保有者に報酬としてDOTが付与されます。一方で、好ましくない行動をとった参加者がステークしたDOTはペナルティとして没収される仕組みになっています。
このコンセンサスアルゴリズムにより、ブロックを瞬時に確定できるため、ブロック生成速度が早く高い実用性を実現します。
②インターオペラビリティ
インターオペラビリティとは「相互運用性」という意味です。ポルカドットのプロトコルは、『リレーチェーン』によりパブリックチェーン、プライベートチェーンを含む複数のブロックチェーンの取引情報を相互接続可能にします。これによりインターオペラビリティの獲得とスケーラビリティ問題の解決を図ります。
③オンチェーンガバナンス機能
ポルカドットはオープンガバナンス体制を持ち、ネットワークのアップグレードはオンチェーンガバナンスによって決まります。ネットワーク手数料やパラチェーンの追加または削除、およびプラットフォームのアップグレードや修正などがDOT保有者の投票により決まります。
④高いセキュリティ性能
ポルカドットでは各パラチェーンでセキュリティがリレーチェーンにプールされる方式を採用しています。異なるシステムを持つ複数のパラチェーンが単一ネットワーク内に存在していると、特定のパラチェーンの脆弱性がネットワーク全体に影響することが懸念されます。しかし、ポルカドットではネットワーク全体のセキュリティを維持するためにバリデータをリレーチェーンにプールし、個別のパラチェーンと共有することにより全体のセキュリティを確保しています。
②WEB3.0を支えるポルカドットのパラチェーン
続いてポルカドットのパラチェーンについて解説します。
2-1. パラチェーンとは?
パラチェーンとは、ポルカドットのメインチェーンであるリレーチェーン(Relay Chain)に接続しているシャドウチェーンです。リレーチェーンとトランザクションを並列(パラレル)処理することからパラジェーンと名付けられています。『ブリッジ』という機能を使うことで、イーサリアムやビットコインなど外部のブロックチェーンをパラチェーンと接続することができます。
パラチェーンには「スロット」という枠があり、100枠に限定されています。このスロットはパラチェーンオークションで落札する形をとり、参加プロジェクトは「クラウドローン」でコミュニティから出資を募ってスロット獲得を目指します。パラチェーンオークションの1回目は12月18日に終了し、日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network」など5つのプロジェクトがスロットを獲得しました。
ポルカドットの現在のステージは、メインチェーンとパラチェーンのロールアウトが完了し、パラチェーンが順調に稼働されていることが確認された段階です。そして、スロットオークションとクラウドローンが随時実施されています。第2回のパラチェーンオークションは既に開始されており、2022年3月11日頃に新たに6つのプロジェクトがパラチェーンに接続される予定となっています。
③ポルカドットの今後と購入方法
最後にポルカドットの今後と、仮想通貨ポルカドット(DOT)の購入方法の解説をします。
3-1. ポルカドットの今後
次い予定されているのが、パラチェーンとメインブロックチェーンを相互に通信する「クロスチェーンメッセージパッシング(XCMP)」機能と、オークションとは別の方法でリレーチェーンに接続させる「パラスレッド」の起動などがあります。また、ポルカドットのオンチェーンガバナンスがコミュニティによって有効化される予定となっています。これらのマイルストーンはポルカドットの仮想通貨ポルカドット(DOT)の価格にも影響してくると思われます。
3-2. ポルカドットの購入方法
2022年1月現在、仮想通貨ポルカドット(DOT)はGMOコインやBITpointなどの仮想通貨取引所で購入できます。ここでは、GMOコインを例にポルカドットの購入方法を解説します。
GMOコインには「販売所方式」と「取引所方式」の2種類がありますが、DOTが購入できるのは「販売所」です。販売所で購入する場合、トップ画面の左側のメニューの部分から「販売所」をクリックして「ポルカドット(DOT)」を選択します。そして、取引数量か金額を入力することで購入が可能です。購入にはGMOコインの口座開設が必要となります。
販売所は取引手数料が無料ですが、「売り」と「買い」のレート差(スプレッド)が実質的な手数料となります。スプレッドは市場環境に応じて変化しますが、相応の値動きが発生しないと利益を上げることができないため注意しましょう。
④まとめ
ポルカドットに接続されるプロジェクトの数が増え、その仕組みや有効性が明らかになるにつれDOTの価格の上昇圧力となることが考えられます。ポルカドットの将来性に関心のある方は、GMOコインでの仮想通貨の購入も検討してみてはいかがでしょうか?
中島 翔
最新記事 by 中島 翔 (全て見る)
- ユニクロ運営会社に見るサステナビリティ経営|ファーストリテイリングの環境・社会貢献策を解説 - 2024年11月29日
- 急成長するDePIN、ソーラーファーム×ブロックチェーン 「Glow」が描く持続可能なエネルギーの未来 - 2024年11月27日
- ユニリーバのサステナビリティ戦略 – ブロックチェーンで実現する環境保護とトレーサビリティ - 2024年11月27日
- 脱炭素に向けた補助金制度ー東京都・大阪府・千葉県の事例 - 2024年10月22日
- 韓国のカーボンニュートラル政策を解説 2050年に向けた取り組みとは? - 2024年10月7日