NFTを管理する方法、ウォレットタイプ別のメリット・デメリットについて解説

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今回は、NFTの管理方法について、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. NFTとは
    1-1.NFTの概要
    1-2.NFTの特徴
  2. NFTを管理する方法
    2-1.ホットウォレット
    2-2.コールドウォレット
  3. まとめ

近年、NFTという言葉を耳にする機会も増えたのではないでしょうか。かつては限られた界隈のみで使用されていたこの言葉も、現在ではあらゆる層に急速に普及し始めており、すでにNFTを保有しているという方も多くなってきています。

そんな中、重要になってくるのがNFTの管理方法です。この管理方法を誤ると、大切な資産であるNFTを第三者のハッキングなどによって盗まれてしまう可能性があります。そこで今回はNFTを安全に管理する方法について具体的に解説していきます。

①NFTとは

1-1.NFTの概要

NFTとは「Non-Fungible Token」の頭文字からとったもので、日本語では「非代替性トークン」と訳されます。従来のデジタルデータは、実際の現物とは異なり、簡単にコピーできるため、データそのものに一点ものの価値を持たせることが仕組み的に困難でした。

そんな中、NFTは、ブロックチェーン上で管理・取引を行うことで、デジタルコンテンツに作成者、保有者、取引履歴などの個別識別情報をひも付け、デジタルコンテンツの唯一性を証明することができます。つまり「自分のもの」であることを証明するデジタル資産として価値を持たせることができる技術になります。NFTは、その一つ一つが独自の価値を持っており、互いに代替が効かない存在となっています。

1-2.NFTの特徴

①ブロックチェーンテクノロジーを用いている

前述の通り、NFTはブロックチェーンテクノロジーを用いて制作されています。

その仕組みとしては、デジタルデータをNFT化した場合、固有のIDが付与されることにより唯一無二のものであることが証明されるため、利用者からすると”保有している”という安心感にもつながるでしょう。現在までに、あらゆるシーンでの応用が始まっています。

また、トークンIDにはNFTの制作者やホルダーのほか、権利者やトランザクション履歴などといったあらゆるデータが紐付けされるため、このNFTが現時点で誰の保有物であるか、元々の制作者は誰なのか、どのようなトランザクション履歴があるのかといった詳細な情報を明確に知ることができます。

②自由な取引ができる

NFTは仮想通貨と同様、非中央集権的なブロックチェーンによって管理が行われています。そのため、自身が所有しているNFTはいつでも自由に取引することができるほか、発行元がサービスの提供を停止したとしても、半永久的に資産として保有し続けることができます。

③あらゆる分野で活用されている

現在、あらゆるコンテンツがNFTとして制作されており、そのユースケースはさらに拡大しています。NFTとして制作されている主な対象物は、下記の通りです。

  • デジタルアート
    絵画や動画などのアート作品
  • 音楽作品
    音楽アルバムやミュージックビデオなど
  • デジタルコレクション
    トレーディングカードやスクリーンショット、ツイート、オンラインチケット、動画など
  • ブロックチェーンゲームのアイテム
    ゲームキャラクター、ゲームアイテムなど
  • 仮想空間(メタバース)上の土地
    Coincheckで販売されたThe SandboxのLANDなど
  • 現実世界の物品
    自動車、競走馬、スニーカー、洋服など
  • 権利物
    会員権、不動産など

②NFTを管理する方法

NFTの管理には大きく分けて「ホットウォレット」を使用する方法と、「コールドウォレット」を使用する方法の二種類があります。

ここではそれぞれのメリットやデメリットについて、解説していきます。

2-1.ホットウォレット

ホットウォレットとは、インターネットに接続された状態のウォレットのことを指します。代表的なものに「MetaMask(メタマスク)」があります。

MetaMaskはブラウザを介して使用するホットウォレットで、OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスに接続することで、ウォレット内に保有している仮想通貨を利用したNFTの取引ができます。MetaMaskはNFTユーザーであれば必ずと言っていいほど利用したことがあるであろうウォレットの一つで、イーサリアムやそのスマートコントラクト(EVM)に互換性のあるブロックチェーンを基盤とするNFTの保管や送受信ができるツールとなっています。現在、Google Chrome、Firefox、Braveの拡張機能などにおいて使用できるウェブブラウザ版と、スマートフォン向けのアプリが展開されており、あらゆる取引シーンで気軽に利用できます。

MetaMaskは、常にインターネットに接続されているという点から、NFTの取引を日頃から頻繁に行なっているユーザーにとってはかなり使い勝手の良いツールとなっていますが、その一方でセキュリティ面での懸念があることも事実です。Metamaskのようなホットウォレットではインターネットに繋がれたオンライン上で保管されることになるため、悪意のある第三者によるウイルス感染や不正アクセスなど、リスクにさらされる危険性が一定割合あります。

また、MetaMaskは、秘密鍵(※)をユーザー自身が管理するウォレットですので、不正や情報漏洩など運営サイドの不祥事による資産の損失を防ぐことができますが、自分自身で秘密鍵を漏洩するリスクと隣合わせなのです。そのため、資産にアクセスするための秘密鍵を紙にメモするなどして主にオフラインで保存しておくことが推奨されています。

編集部注釈:秘密鍵(プライベートキー)とは仮想通貨を引き出すためのパスワードのようなもの。簡単にいうと銀行口座の暗証番号のようなもので、これを第三者に知られた場合、ウォレット内の資産が自由に送付されてしまうため、管理には十分な注意が必要となる。

こうしたリスクから、ホットウォレットの代替として仮想通貨投資家に利用されているウォレットが、インターネットから切り離された状態で使用する「コールドウォレット」です。

【関連記事】:メタマスク(MetaMask)ウォレット上の使い方と注意点、盗難被害を防ぐには?

2-2.コールドウォレット

前述の通り、コールドウォレットとはホットウォレットと対極にあるウォレットで、オフラインでNFTの管理を行うことができるツールです。

コールドウォレットはホットウォレットと異なり、NFTなどの取引を行いたい時のみ、USBやBluetoothを利用してパソコンやスマートフォンに接続して使用するため、取引を頻繁に行うユーザーにとっては少し手間がかかるかもしれません。しかし、秘密鍵をオフラインで管理するというコールドウォレットの仕様上、ハッキングのリスクがホットウォレットと比べると非常に低いというメリットがあります。

中でも、「ハードウェアウォレット」と呼ばれる専用デバイスで仮想通貨を管理するウォレットは、セキュリティ性の高さに定評があり、NFTを安全に管理するために欠かせない存在となっています。代表的なハードウェアウォレットには「Ledger(レジャー)」があり、5,500種類以上のトークンやコインに対応しているほか、機密キー保管に関するセキュリティ対策も万全に採られているため、安心して利用することができます。また、Ledgerではメタマスクをはじめとする信頼性の高いソフトウェアウォレットと接続できるハードウェアウォレットを提供しているため、コールドウォレットで懸念されている取引の際の手間を省くこともできます。

【関連記事】:DeFiにハードウェアウォレットが必要な理由

③まとめ

NFTはユーザーの大切な資産ですが、その管理方法によっては簡単に盗まれてしまう危険性が大いにあります。そのため、ホットウォレットとコールドウォレットを使い分け、NFTの管理はセキュリティ性の高いハードウェアウォレットで行うなど、徹底した安全管理を行うことが大切です。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12