【仮想通貨取引所の元トレーダーが解説】NFT市場で注目度の高い仮想通貨3選

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今回は、NFT市場で注目度の高い仮想通貨について、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. NFT市場について
  2. NFT関連銘柄の選び方
    2-1. 時価総額
    2-2. 特徴、将来性、上場している取引所
  3. 注目度の高いNFT関連銘柄3選
    3-1. Enjin Coin(エンジンコイン/ENJ)
    3-2. Chiliz(チリーズ/CHZ)
    3-3. Flow(フロウ/FlOW)
  4. まとめ

デジタルアートやネットゲーム、VRなどに関連して盛り上がるNFT市場ですが、今回はそのNFT市場に関連して盛り上がりそうな仮想通貨(暗号資産)について解説します。

①NFT市場について

NFT市場についてご存知ない方も多いと思うので、NFT市場とは何かという点について解説します。

NFT(ノン・ファンジブル・トークン)とは、ブロックチェーン技術を利用してその資産の著作権や所有権等が組み込まれているデジタル資産のことです。

デジタル資産とは、デジタルアートと呼ばれるアート作品やオンラインゲーム内のアイテムの他、画像、映像、音楽などあらゆる種類のデジタルコンテンツのことを指します。

NFTはブロックチェーンに取引記録が残るので、デジタル署名により購入者に所有者としての権利を結びつけることができます。そのため、表面の画像をコピーしたとしても、所有権を証明できないという特性があるのです。

最近、様々なコンテンツがNFTされ、高額で取引されています。例えば、米ツイッター社のジャック・ドーシーCEOが2006年に最初に投稿したツイート「たった今、自分のツイッターを開設した」がデジタル資産NFTとして競売にかけられ、約290万ドル(約3億1,500万円)で落札されました。NBAのプロバスケットボール選手、レブロン・ジェームズがスラムダンクを決めるビデオクリップが20万8,000ドルで落札されています。

大手オークションハウスのクリスティーズでは、NFTデジタルアートが約6,930万ドル(約75億円)で落札され、NFTアートとして過去最高額を記録しました。この際、255年の歴史を持つクリスティーズで初めて、イーサリアム(ETH)が決済手段として使用されたことでも話題となっています。

様々なメディアでも取り上げられており、NFT市場は急激に注目を集めています。

②NFT関連銘柄の選び方

現在のところ、NFTの決済手段としてイーサリアムが使用されることが多いようです。その他にも、NFTに関連する仮想通貨は100種類近くあり、全体的に価格が高騰しています。多くの投資家がNFT関連銘柄の青田買いを始めているのです。

しかし、これだけ多くの中から一つ一つ精査することは非常に困難です。そのため、まずは時価総額が大きい順に注目したいと思います。時価総額が大きい銘柄は、投資対象として魅力があり、多くの人に投資されているものと考えられるからです。

時価総額

時価総額とは単位当たり価格に流通発行量を乗じたもので、その仮想通貨の需要や影響力を客観的に示す指標のひとつです。時価総額が小さすぎる銘柄への投資はハイリスクハイリターンになるため、あまり推奨できないと考えています。

特徴、将来性、上場している取引所

時価総額で絞込みをかけたら、それぞれ特徴・将来性・上場している取引所などを調べ、自分で納得して投資できるものを選びます。なお、NFT関連銘柄の時価総額とランキングは、CoinGeckoで調べることができます。

③注目度の高いNFT関連銘柄3選

時価総額の大きなNFT関連銘柄のうち、特に注目度の高い銘柄を3つご紹介します。

  • Enjin Coin(エンジンコイン/ENJ)
  • Chiliz(チリーズ/CHZ)
  • Flow(フロウ/FlOW)

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

Enjin Coin(エンジンコイン/ENJ)

  • 現在の価格: 2.53ドル
  • 時価総額: 23億5,000万ドル
  • 時価総額ランキング: 47位
2021年3月28日時点

Enjin Coin(エンジンコイン)は、ブロックチェーンプラットフォーム「Enjin platform」で発行される仮想通貨です。Enjin platformはオンラインゲームで主に利用されており、マインクラフトなどのメジャーなゲームを含めた30種類以上のオンラインゲームと、NFTによるゲーム内のアイテム発行のために連携しています。この通貨を選んだ理由は、日本の取引所コインチェックに上場しており、過去約2ヶ月の間に価格が5倍以上にまで伸びているためです。

Enjin Coin(エンジンコイン)とは?特徴・仕組み・購入方法

Chiliz(チリーズ/CHZ)

  • 現在の価格: 0.57ドル
  • 時価総額: 30億9,000万ドル
  • 時価総額ランキング: 38位

Chiliz(チリーズ)は、スポーツやエンターテイメント業界でのブロックチェーン活用を目指したプラットフォームおよびそこで使用される仮想通貨です。国内では未上場となっています。

この通貨が注目な理由は、コインチェックとChilizが業務提携していることにあります。Chilizは、FCバルセロナやACミランなどの有名サッカークラブとグローバルパートナーシップを結んでおり、今後コインチェックが手がけるNFTマーケットプレイス「miime(ミーム)」でも販売される可能性があります。

前述のEnjin Coinはコインチェックとの業務提携の末に上場に至っていることから、Chilizについてもコインチェックでの上場が期待されている状況です。

Flow(フロウ/FlOW)

  • 現在の価格: 32.68ドル
  • 時価総額: 10億2,000万ドル
  • 時価総額ランキング: 83位

Flow(フロウ)は、クリプト・キティーズなどのメジャーなブロックチェーンゲームを手掛けているDapper Labs社が開発したプラットフォームおよび仮想通貨です。現状、ブロックチェーンゲームの多くはイーサリアム上で構築されていますが、Flowは独自ブロックチェーン上でNFT市場を形成しています。NBA=アメリカバスケットボールの動画ハイライトを収めた「NBAトップショット」などで注目されています。

④まとめ

NFT自体が市場全体から見るとまだまだニッチな分野であり、未成熟であることは疑いの余地はありません。ただし、デジタル資産に著作権や所有権などが紐づくと、創作活動を生業とする芸術家やクリエイターにとって大変喜ばしい未来がやってきます。個別の銘柄を見るとまだまだ伸びそうな銘柄も多くあります。今後どれだけ実用性を上げ、社会に受け入れられていくのかという点に注目したいと思います。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12