証券会社を経て、仮想通貨(暗号資産)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。
目次
- 投資家のレベルや投資期間によって適している取引所は異なる
1-1. 投資自体が初心者で、何から始めれば良いかわからない方
1-2. 他の分野で投資経験がある方
1-3. 資産運用の一つとして長期的な値上がり益を狙うタイプ
1-4. 短期的にレバレッジで資産を増やしたい場合 - 暗号資産取引所はニーズに合わせて選択すること
現在、暗号資産(仮想通貨)や外国為替のFXを含めた投資全般で、個人投資家の関心が高まっています。おそらく、コロナショックを機に将来への不安が高まった心理的背景があるのでしょう。
暗号資産に投資をしようと思われた方の中には、どの取引所を利用すればいいのかわからない方も多いと思います。
ここでは暗号資産で使える投資手法について紹介し、各手法の利用に適している暗号資産取引所について解説したいと思います。
投資家のレベルや投資期間によって適している取引所は異なる
自身のこれまでの投資経験、例えば株式・FX投資の知見があり暗号資産だけが初めてなのか等によって、利用すべき暗号資産取引所は変わってきます。投資レベル別にご紹介したいと思います。
1. 投資自体が初心者で、何から始めれば良いかわからない方
最初に完全な投資初心者に適している暗号資産取引所をご紹介します。初心者にとって大事なことは「投資方法や考え方を覚えること」、そして「投資対象がどのような特徴を持っていてどのようなリスクがあるのか」を最初に理解することです。これは、利益を出し続けている方の心の持ち用を理解しようということです。
そのため、暗号資産投資をスタートするにあたって、取引方法や注文方法が多岐に渡り複雑すぎる取引所は避けた方が賢明でしょう。そして、初心者向けの暗号資産取引所として昔から評判が高い取引所が「Coincheck」です。
Coincheckの特徴はインターフェイスが見やすく、ワンクリックで購入までたどり着けるように購入までの工程を簡潔にしていることです。Coincheckは徹底したユーザー目線のインターフェイスによって日本一の口座数を誇る取引所に成長しています。
下記がCoincheckの購入画面です。購入したい数量を入力するだけで自動的に合計金額が算出され、購入ボタンをクリックするだけで取引が完了します。
このシンプルさが初心者向きな取引所としておすすめされている理由とも言えるでしょう。現在、Coincheckのアプリのダウンロード数は日本一となっています。Coincheckを利用していない暗号資産投資家の間でも、価格チェックに使いやすいということで、アプリだけはダウンロードしておくほどの人気となっています。
また銘柄数も日本トップとなっています。日本にはまだ上場されていない銘柄を上場させており、Coincheckの大きな特徴と言えます。
2. 他の分野で投資経験がある投資家
ある程度投資の知見があり、暗号資産は触ったことがないという投資家であれば、注文方法やテクニカル分析等はご存じな方も多いでしょう。そのため、ある程度機能が揃っている暗号資産取引所がおすすめです。
GMOコインは暗号資産FXにおける銘柄数が多く、テクニカル分析の面でも使いやすいWEB.TRADERというツールがあり、初心者から上級者まで幅広く対応している暗号資産取引所です。
下記がGMOコインの暗号資産FXの取り扱い銘柄の一覧です。
最近ではGMOコインも新規銘柄の上場ペースが早くなっており、口座を開設しておいて損はない取引所と言えるでしょう。また暗号資産FXとは別に、レバレッジ取引の機能も提供しています。
自己資産以上のリスクを取ってトレードしたい方は、GMOコインでは暗号資産FXもレバレッジ取引でも利用可能なため、一度利用してみるといいでしょう。
3. 資産運用の一つとして長期的な値上がり益を狙うタイプ
次に、投資期間の切り口から考えてみたいと思います。まずは「長期的に資産運用のツールの一つ」として、暗号資産を利用したい投資家を考えてみます。
最近、暗号資産のマーケットに対してポジティブなニュースが増えてきています。例えばG20でもデジタル通貨を普及する方向で動き始めており、日本でも日銀が中央銀行のデジタル通貨(CBDC)に対する研究を進めているなどがあります。さらに世界各国でコロナショックに対処するための景気刺激策が採られており、金余りの状態が続いています。そのためビットコインを含めた暗号資産への資金流入に関する期待感も高まっており、長期的に下落を予想する見方は弱まっているのが現状です。
しかし値動きが大きいため、長期的には上昇すると思っていても、いつ購入すればいいかわからない方も多いでしょう。
そこで利用できるのがCoincheckの「Coincheckつみたてサービス」です。
これは決まったスケジュールで自動的に日本円を暗号資産に交換してくれるというサービスです。投資信託でもよくある定額積立と仕組みは同じです。ドルコスト平均法であり、価格が下落すれば購入数量は増加し、価格が上昇すると購入数量は減少する仕組みとなるため、平均購入単価が収斂しやすいという特徴があります。
Coincheckつみたてサービスの注意点としては、暗号資産市場が下落相場に転じた場合に、どこまで下がるのか目処が立て辛いことです。
伝統的なアセットクラスである外国為替のFX等であれば、過去数十年にも渡って相場が形成されています。そのため大きなレンジでチャートを見ると、ある程度行き過ぎると戻ってくるという傾向があります。
一方で暗号資産は歴史が浅く、過去のチャートがあまりありません。積立は将来価格が上昇することを前提として行うことになりますが、極端な場合、数十年間下落し続ける可能性も0ではありません。この点には留意して積立投資を行うようにしましょう。
4. 短期的にレバレッジで資産を増やしたい場合
次にレバレッジを利用して資産効率を最大化しながら短期的にトレードしたいという方はGMOコインのようなレバレッジを利用できて、通貨数も豊富な取引所が選択肢となるでしょう。
上昇相場だけでなく、下落相場でも利益を出すことが可能なこともレバレッジ取引の特徴です。
レバレッジ取引というのは諸刃の剣でもあり、利益が出る時はレバレッジ倍率に併せて資産が増加して行きますが、損失が出始めると値動き以上の損失を被るものでもあります。そのため、レバレッジ取引は短期トレードが原則です。エントリー時に損切りポイントを定めておく必要があるため、初心者には難しい投資方法でもあります。レバレッジ取引の取り組み方次第では、たったの1敗で資産の全てを失う可能性が高いことは頭に入れておきましょう。
利益を出し続けている投資家の共通項は「リスク管理を徹底していること」です。決して知識があるから勝てるというものではなく、自分の自身をしっかりと理解することが一番大切なことと言えるでしょう。
レバレッジを利用することで、リスク管理はより難しくなります。最初に運よくレバレッジ取引で大きな利益を出したとしても、リスク管理ができていないとあっという間に全損する可能性が高いことを認識しておいてください。
また、GMOのように暗号資産の種類が豊富なところで取引を行う場合、中には流動性が低いものもあるため、ハイリスクハイリターンになることがあります。上手く利用できるようにしましょう。
暗号資産の種類によってはそれぞれの相関関係がない場合も多く、分散してトレードすることもリスクヘッジの一つの手法です。
ビットコインのみでレバレッジ取引を行うよりも、アルトコインを織り交ぜながらトレードを行うことで、安定したパフォーマンスが出る可能性もあり、どのような手法がいいのか考えてみることも良いでしょう。
アルトコインのほうが流動性が低いため、値動きはビットコイン以上に大きくなりやすい特徴があります。その特徴を活かす方法を考えてみるのもありかと思います。
暗号資産取引所はニーズに合わせて選択すること
日本の暗号資産取引所2社をご紹介しましたが、他にも色々な取引所があります。特徴が似ているところもあれば、ターゲットとしているユーザーが全く異なる暗号資産取引所等、色々なサービスがあるので、これを機に調べて頂くと良いでしょう。
選定するときに大事なことは「自分自身が実際に使ってどう感じるのか?」という点です。
誰かが使っているから利用するという考え方は避けて、まずは自分が利用して理解しながら判断していくことで、自分なりの見方を培っていけると思います。大半の人にとって良い暗号資産取引所でも、自分には合わないこともあります。投資の世界であるため、人の情報を参考にすることはあっても、鵜呑みにするのは止めましょう。
暗号資産取引所の口座開設は無料ででき、維持管理費用もかかりません。まずは開設して利用しながら判断していくという心持ちで、暗号資産投資に取り組んで頂きたいと思います。
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中島 翔
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