【暗号資産取引所の元トレーダーが解説】テクニカル指標:MACD

今回は、MACDの覚えておきたい基本的知識の紹介から使い方について、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. MACDの基礎知識について
    1-1. MACDとは
    1-2. MACDの計算式
    1-3. MACDの見方
    1-4. MACDを使った分析方法
    1-5. MACDの欠点
  2. MACDと他のテクニカルツールを合わせた使い方
  3. まとめ

仮想通貨FXを始めると勝率を上げるために様々なテクニカルツールの勉強をすると思います。中でも誰もが勉強するオシレーター系ツールがMACDです。

この記事では、MACDの覚えておきたい基本的知識の紹介から使い方、さらには他のテクニカルツールと合わせて使う実践的な方法まで解説します。この記事を読めばMACDを使いこなすことができますので最後まで読んでみてください。

①MACDの基礎知識について

まずは、MACDの基本的な部分について解説していきます。

1-1. MACDとは

MACDは、「移動平均収束拡散手法」ともよばれ、1979年にジェラルド・アペルによって開発された、移動平均線を使って売買判断をしていく手法です。

MACDは、基本となる「MACD」と呼ばれる線と、MACDの移動平均線である「シグナル」の2本で構成されます。基本的に2本の線を見ていくだけなので売買判断がしやすく初心者でも使いやすいのはもちろん、上級トレーダーも使用している人気のテクニカルツールでもあります。

1-2. MACDの計算式

MACDの計算式は以下の通りです。

  • MACD線=短期EMA-長期EMA
  • シグナル=MACDの移動平均線(EMA)

MACDの計算で使う移動平均線は、一般的に使われる単純移動平均線(SMA)ではなく、指数平滑移動平均線(EMA)です。EMAのほうが直近の値動きを反映しやすく、SMAよりも値動きに対して敏感に反応する特徴があります。

上記の計算式は正直なところ覚える必要性はありませんが、MACDがどのように成り立っていて、2本の線に作用する要素を把握しておくことに意味があります。

1-3. MACDの見方について

ここでは実際のチャートを参考に、MACDの見方について解説します。

Macd1

上図の白い棒グラフ上になっているのが「MACD」です。そして、赤い点線で描かれているのがシグナルになります。MACDの場合、2本の線といっても実際チャート上に表示させると、このように表示されますので覚えておきましょう。

Macd2

また「MACD」「シグナル」以外にも重要な指標があります。上図では中心に0の水平線があります。これを起点として、プラス方向に2本線があると上昇トレンドにあると判断できます。逆にマイナス方向にあると下降トレンドにあると判断できます。

以上がMACDの基本的な見方になります。非常にシンプルだということが分かったのではないでしょうか。

1-4. MACDを使った分析方法

次はMACDを使った分析方法について理解していきましょう。こちらも簡単な内容ですので、覚えていってください。

まずMACDを使って売買判断をする際の2つのルールを覚えましょう。

  • 上昇トレンドで、MACDがシグナル線を下から上へ交差(デッドクロス)したら売り
  • 下降トレンドで、MACDがシグナル線を上から下へ交差(ゴールデンクロス)したら買い

実際にチャートを見ながら売買タイミングを理解していきましょう。

Macd3

上図の青〇部分は、2本線がそれぞれ上昇トレンドにあり、さらにデッドクロスしたタイミングです。これは、売りのタイミングと判断できます。赤〇は、下降トレンドで2本線がゴールデンクロスした状態であり、買いのタイミングと判断できます。

このようにMACDの売買タイミングは一目瞭然でわかるため、初心者でも使いやすく人気があるのです。MACDにさらなるテクニカルツールを加えることで、さらに勝率を上げることができます。

1-5. MACDの欠点

売買判断が簡単で使いやすいMACDですが、単体で使うのには注意が必要であり、欠点もあります。MACDの2つの欠点についておさえておきましょう。

  1. レンジ相場に弱い
  2. 売買サインが出るのが遅い

MACDはトレンドの転換点で売買判断をするのに向いているテクニカルツールのため、トレンドが出ていないレンジ相場においては機能しません。

レンジ相場ではダマシもあり、MACDに固執していると上手に利益を積み重ねていくことが出来なくなるため注意しましょう。

売買サインが遅い点については、以降で紹介する別のテクニカルツールと合わせた使い方によって補うことができます。

②MACDと他のテクニカルツールを合わせた使い方

ここでは、MACDとストキャスティクスを併用する方法について紹介します。ストキャスティクスもMACDと同様に、売買タイミングを判断する際に使われるオシレーター系のテクニカルツールで、MACDとの組み合わせるツールとして一番使われる方法です。

MACDにはトレンド転換サインが出るのが遅いというデメリットがありました。ストキャスティクスは転換サインが早く出るというデメリットがあるため、相互に弱点を補完することができます。これにより、ダマシに対処しながら取引できるようになります。実際のチャートを見ながらどのくらいのズレがあるのか確認してみましょう。

Macd4

まず、買いのタイミングをそれぞれ見てみましょう。黄〇部分でストキャスティクスの買いサインが出ています。一方、MACDの買いサインが出いている赤〇部分では、既に少し価格が上昇しています。

ストキャスティクスが買いサインを出したタイミングで買っていれば、MACDがサインを出した時で買うよりも大きな利益を得るように見えます。注意すべきことは、MACDで買いサインが出た時にストキャスティクス上では売りサインが出ていることです。しかし実際は、その後も価格が上昇しており、ストキャスティクスの売りサインはダマシだったことになります。その後、MACD上で売りサインが出たタイミングで価格が下がっています。つまり、MACDのサインで売却したほうが大きな利益を取ることが出来ます。

以上を踏まえると、ストキャスティクスのサインは即効性であり、MACDよりも早くトレンド転換を見つけやすいといえます。MACDはより精度を高め、ダマシも回避できるため、ストキャスティクスと併用しているトレーダーが多いのです。

③まとめ

MACDの基礎知識と実践的な使い方について解説しました。非常にシンプルで使いやすく多くのトレーダーが使っているテクニカルツールではあるものの、単体では欠点もあります。

ストキャスティクスのほかにも一目均衡表の雲と合わせた方法やRSIと合わせた方法など、様々な方法がありますので、自分に合った組み合わせで取引してみるのも良いでしょう。

他のテクニカルツールと合わせることで、より精度の高い相場分析ができるようになります。積極的に他のテクニカルツールの知識も身に着けていくことをおすすめします。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12