筆者は仮想通貨取引所でトレーダーを行っていました。最近でも個人投資家として仮想通貨は毎日欠かさずチェックしていますが、日々のニュースを追うだけでも大変なマーケットです。
現在、仮想通貨の通貨数は把握できないほどの量となっておりどの通貨に投資するかすら悩んでしまうほどですが、実際に世界の経済圏にインパクトを与える技術や機能を備えたものというのはほとんどありません。
本日は、そんな中でも流動性が高く仮想通貨時価総額第二位のイーサリアムについて、マーケットの動向を解説していきます。
目次
11月のイーサリアムのマーケットは?
まずは長期的な日足チャートからチェックしていきます。テクニカル分析は人それぞれ見方も違うため、ここでは簡便にトレンドラインとフィボナッチのみラインを引いています。
まず、昨年の安値から今年夏場にかけた高値でフィボナッチをチェックすると、ちょうど直近下げ止まった位置が0.786%の位置となっていることが把握できます。フィボナッチから推測できるのはここが最後の砦であり、このラインを割れてくると昨年の安値が見えてくるということです。
一方で、153ドル付近になる赤色のサポートラインと青色のレジスタンスラインで三角保ち合いを形成していましたが、結局底割れする形でブレイクしました。つまり、フィボナッチから見ると下げ止まるものの、サポートラインをブレイクしていることから下押し圧力もかかりやすいためここからどちらに行くか均衡していると言えます。そのため、どちらに動き始めた段階でエントリーするのが得策と言えます。安易に博打のようなポジションは持たないようにしましょう。
次に11月に焦点を当ててチャートをチェックします。ポイントはチャートから見ると一点だけとも言えるようなチャートです。
チャート上で赤色のラインが引かれているところが、10月上昇した後にサポートラインとして機能していた重要な節目となっています。コメントを挿入している辺りを見ると、投資家がこのラインを意識していたことが明確に理解できます。その理由としては、割れる直前にこの辺りで一旦下げ止まりを見せているためです。
価格が動いているときに考えるべきことは、ある程度このラインでロングポジションが構築されていることと、ロングポジションを作るということはどこかで売らないといけないということです。つまり、このラインでロングポジションを作った投資家はこのラインを割れると一旦損切りの売り注文を出して手じまいするということです。
そのため、このような節目を見つける意味というのはポジションがどこで外そうとしているのか、そのラインを割れると急激に相場が動くというラインを意味しているためしっかり把握するようしましょう。
イーサリアムのニュースやイベント
次に11月のイーサリアムのニュースを振り返っていきます。まずは下記のチャートとイベントをご覧ください。
最初の大きなニュースといえばやはりイーサリアムの大型アップデート「イスタンブール」の日程が確定したことでしょう。
イスタンブールは先日すでに実施され、特に問題なく進んでいるようです。大型アップデートはイーサリアムの価格に影響するのかについてはマーケットではよく話題となっていますが、結論から言うと、短期的に影響するもののすぐにその効果は剥落することが過去のプライスアクションからわかります。
当然ながら、イベントの内容によってはターニングポイントになるような内容になることもあるためイベントの中で公表された内容がどのような重要性を持っているのかを自身で把握することも必要です。
次のニュースは、dappsのゲームが香港のような政治的な混乱の中でも成長しているということです。dappsは従来のシステムのような中央集権の機能は持っておらず、高官が政治的な発言などを行っても影響が小さいマーケットです。こうしたプラットフォームでトークンが急増しているということは、自身の資産をこうした仕組みを利用して守ることも視野に入れている投資家がいる可能性があります。
ちなみに中央集権型と非中央集権型の違いは下記の図で説明が可能なため参考に載せますのでご覧ください。中央集権型は誰かが主体となって全体を管理するような状態となるのに対して、非中央集権型はそれぞれが相互に関わり合うことで全体の機能を保っているという状態を示しています。
足元は正念場の水準
最後にチャートから見ると、長期的な下落トレンドが継続している状況です。現在はフィボナッチとサポートラインを割れた位置の間で推移しており、このラインからどちらに抜けるかという点がポイントとなりそうです。
下抜けした場合は昨年つけた年初来安値が視野に入ってきそうな動きとなっています。
上記のチャートは基本的なテクニカル分析で用いられやすいRSI、MACD、ストキャスティクスを表示しています。
夏場につけた高値から大幅に下落している現状で、そろそろ買っていいのではないかと思うかもしれませんが、その際にこのような基本的なテクニカル分析のオシレーターだけ見ることも大切です。
MACDはゴールデンクロスはしておらず、ストキャスティクスも割安水準に突入していません。RSIをチェックしても割安水準ではなく、全く売られ過ぎではないことがこのオシレーターからしっかりと確認できます。
このようにオシレーターをチェックして自分自身との感覚にギャップがないかトレードする前にチェックすることがおすすめです。そのため現在は焦ってエントリーする必要なく、トレンドが出始めてた材料が出た段階でエントリーすることをおすすめします。
最後に、ドミナンスをチェックしてもイーサリアムが足元持ち直す兆しはないと言えます。
このドミナンスは仮想通貨全体の時価総額にしめるイーサリアムの割合を表しており、この割合が上昇する過程で価格の上昇も期待できるようになるでしょう。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
中島 翔
最新記事 by 中島 翔 (全て見る)
- 脱炭素に向けた補助金制度ー東京都・大阪府・千葉県の事例 - 2024年10月22日
- 韓国のカーボンニュートラル政策を解説 2050年に向けた取り組みとは? - 2024年10月7日
- NCCXの特徴と利用方法|ジャスミーが手掛けるカーボンクレジット取引所とは? - 2024年10月4日
- Xpansiv(エクスパンシブ)とは?世界最大の環境価値取引所の特徴と最新動向 - 2024年9月27日
- VCMIが発表したScope 3 Flexibility Claimとは?柔軟なカーボンクレジット活用法を解説 - 2024年9月27日