今回は、Coincheckで板取引が開始されたOMGについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- OMG Network(オーエムジーネットワーク)とは?
1-1.OMGの概要
1-2.プロジェクトの目的
1-3.OMG Networkの特徴 - OMGトークン
2-1.トークンの概要
2-2.ユースケース - OMGの購入材料
3-1.購入する決め手になるものとは
3-2.過去から現在のデータの考察
3-3.OMGの将来性 - まとめ
9月13日から国内の暗号資産(仮想通貨)取引所Coincheckで、OMGの板取引が開始されました。今回は、OMGの概要の解説や、投資対象として購入材料について分析していきます。
①OMG Network(オーエムジーネットワーク)とは?
1-1.OMGの概要
OMG Network はタイのバンコクに拠点を持つOmise社によってOmiseGOとして開発され、2020年6月にOMG Network に名前が変更されました。
OMG(オーエムジー)とは、「OMG Network」上で使用される仮想通貨のことを指します。
1-2.プロジェクトの目的
OMG Networkはイーサリアムのレイヤー2ソリューションで、より低いコストでトランザクションを高速に処理させることを可能にします。
イーサリアムでは、膨大な取引が行われると処理容量を圧迫して、トランザクション処理の遅延や取引手数料(ガス)の高騰が発生することがあります。
ネットワークが混雑することでトランザクションの遅延が起こることをスケーラビリティ問題といい、OMG Networkはこれを解決します。
1-3.OMG Networkの特徴、メリット
OMGネットワークの特徴は、イーサリアムブロックチェーンのセカンドレイヤーとして資産を移して高速な取引処理、取引手数料のコスト削減が可能な点です。
イーサリアムでは、1秒間に15個のトランザクションを処理することが出来ますが、OMG Networkでは1秒間に約4000のトランザクションの処理が可能になります。
現在はOMG NetworkからBOBA Networkに既に移行済みで、従来はMore Viable Plasmaというレイヤー2ソリューションを採用していましたが、今はイーサリアムの新しいレイヤー2ソリューションのOptimistic Rollupを採用しています。その結果、OMG Network よりも高性能で取引処理ができる決済プラットフォームになりました。また、BOBA Network に移行したことにより、OMGトークンの保有者はBOBAというトークンがエアドロップされ一時話題にもなりました。
②OMGトークン
2-1.トークンの概要
通貨(トークン名) | OMG |
ネットワーク名 | OMG Network |
時価総額 | ¥34,849,127,377.74(2022年9月18日現在) |
総供給量 | 140,245,398 OMG |
OMGはOMG Networkのネイティブトークンで、2022年9月19日時点に時価総額ランキング120位、価格は1.8ドルです。また、ネットワーク移行後にエアドロップされたBOBAは現在時価総額ランキング360位、価格は約0.3ドルになります。
2-2.ユースケース
OMG Networkのユースケースは主に3つあります。
1つ目はステーキングです。OMG トークンは、OMG Networkのプルーフオブステーク(PoS)でステーキングする際に必要となる仮想通貨です。ステーキングしたトークンは一定期間ロックされ、トランザクションの検証を行いたい人はある一定のOMGトークンを預ける必要があります。
2つ目は、BOBA Networkです。BOBA NetworkはOMG Networkをリブランドしたもので、BOBA Network でも独自のBOBAというトークンが発行されました。BOBAはOMG保有者にエアドロップされたもので、OMG同様BOBAもステーキングすることが可能になります。BOBAはDAO(分散型自律組織)のガバナンストークンとしても活用されます。BOBA Networkへの移行を推進するために、BOBAのエアドロップを行った訳ですが、エアドロップに関してはOMG保有者にBOBAが貰えるという噂を知ったユーザー達が事前にOMGを購入したことにより一時OMGの価格が急騰しました。
3つ目は、Tether社のステーブルコイン「テザー(USDT)」の採用です。取引所や決済手段として使用されることの多い米ドルのステーブルコインTether(USDT)がOMG Networkを採用することでトランザクションの承認時間、手数料が大幅に削減できるとして提携しています。OMG Networkにおける1秒間の取引回数は4,000TPSまで向上しており、イーサリアムのTPSが10~15TPSである事を考えると大幅な向上となることから、決済における実用性が各段に上がります。Tether社が代替ネットワークとしてUSDTのOMG Networkへの一部移行を決めると、OMGの価格が一時18%上昇しました。
③OMGの購入材料
3-1. 購入する決め手になるものとは
個人的に購入する決め手になるのは主に2つあります。
1つ目は、業界でレイヤー2ソリューション銘柄が盛り上がり、他のレイヤー2ソリューションの価格が高騰し始めたときに購入することを検討してもいいでしょう。理由は、スケーラビリティ問題を解決するレイヤー2ソリューションは非常に革新的なサービスであり、市場の成長余地がある程度考えられるためです。2022年には、Optimismなどのレイヤー2銘柄が給付金含め注目され、一時価格高騰を見せました。しかし、全体的にレイヤー2銘柄の時価総額はまだ低いため、今後さらにレイヤー2銘柄が盛り上がることが期待できます。
2つ目は、BOBAの時のようなエアドロップの話が出てきた場合は購入を検討してもいいでしょう。OMGがエアドロップした時のような仕組みで、エアドロップが噂された後というのは、価格が高騰することが考えられるでしょう。エアドロップに関しては公式のサイトやSNSで突然発表されたりするため、日々注目しておく必要があります。
3-2. 過去から現在のデータの考察
2017年の価格高騰は業界全体のバブルの影響もあり一時約25$を付け、2021年はOMG保有者にBOBAのエアドロップが噂されたことあり需要が増加したことで価格が再度高騰しました。
現在は、BOBA Networkに移行したことでユーザーも少なからず移動したという影響もあり、価格も下降気味で約2$前後を推移しています。
3-3.OMGの将来性
スケーラビリティ問題の解決を促進するレイヤー2銘柄ということもあり、長期的な視点では期待出来るとも言えるでしょう。
エアドロップで話題になったBOBAも、昨年の11月に上場したばかりのため、今後さらにユースケースが増え、ユーザー認知が拡大すれば価格高騰に繋がることも予想されます。
ただ、レイヤー2ソリューションの内容が一般的にはまだ理解が難しいこと、今後レイヤー2関連銘柄が増えてくるため、どのように優位性を持つかなどといった課題もあります。この課題を克服した時には、将来的に大きく期待できる結果が待っていると考えられるでしょう。
④まとめ
ここまでOMG Networkで今後どのようなポイントに期待して購入を判断するかを解説しました。OMGは元々、世界中の人々が平等に金融サービスを享受できる環境を実現するためにスタートしたプロジェクトで、さまざまな国や地域でオンライン決済サービスを展開していました。
そして22年OMGはより機能性が高いネットワークとして今後さらにその規模を拡大していくと見られており、OMGを保有することでのインカムゲインも期待できるため、興味のある方はCoincheckで口座を開設し、OMGの取引を行ってみてはいかがでしょうか。
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中島 翔
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