仮想通貨取引所コインチェックは国内初となるIEOを2021年7月1日に開催しました。国内初行われたIEOは申し込み開始からわずか6分で目標金額である9億3,150万円を突破し、達成目標金額を上回ったことから抽選での販売となりました。
そして今回、筆者がIEOに参加した体験談をご紹介するとともに、また今回IEOされたパレットトークンについて解説していきます。これからもIEOが開催される機会もあると思うので、次回の参加を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
①IEOとは?
IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)とは、トークンを発行したプロジェクトが、仮想通貨取引所を通じて資金調達を行うものです。IPO(株式公開)の仮想通貨版と考えると理解しやすいかもしれません。2017年頃に仮想通貨が大流行した要因の一つに「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」と呼ばれる資金調達スキームがありました。しかしICO詐欺が横行し、規制が強化され、現在までにICOは下火となっています。
トークンを発行して資金調達を行うという目的は同じですが、IEOとICOの決定的な違いは「販売主体が違う」ということです。ICOの場合、トークン発行元であるプロジェクトチームが、ホワイトペーパーを作成し、投資家にダイレクトに販売します。ホワイトペーパーを通じて、「どのようなビジョンの下でトークンを発行するのか」、「資金調達をして何を、どのような計画で行うのか?」をアピールします。
一方でIEOは、仮想通貨取引所がプロジェクトチームから委託を受けて、取引所のユーザー向けに販売・プロモーションを代行します。取引所がそれぞれのトークンやプロジェクトを査定し、顧客へ販売するかどうか判断するため、信用補完の意味合いを持ちます。IPOに例えると、仮想通貨取引所は証券会社のポジションとなり、顧客から資金を調達しプロジェクトチームに渡す流れとなります。
②2021年7月に行われたCoincheck IEOの概要
コインチェックはIEOプラットフォーム「Coincheck IEO」の第一号プロジェクトである「Palette Token」は、7月1日に購入申込みの受付が開始されました。申し込み期間は2021年7月1日12:00〜2021年7月15日18:00で、販売価格は1PLT=¥4.05、販売手数料8%、申込上限口数2,400口、1口あたりの数量1,000PLT、最低購入口数は1口からとなっていました。
その後の流れとしては、2021年7月20日が抽選、受け渡し日となり、取引所上場は7月27日となりました。IEOはスマホアプリからでも参加申し込みが可能でした。
国内初IEOされたトークン「PLT(パレットトークン)」とは
Coincheck IEOを最初に利用する企業は株式会社Hashpaletteです。同社はNFT専用のプライベート・ブロックチェーンである「パレット(Palette)」を構築しており、ユーティリティトークンのPLT(パレット)を発行します。PLTは独自チェーン上の各種手数料の支払いやNFT売買の決済に使用されます。
Paletteプラットフォームはマンガ・アニメ・スポーツ・音楽といったエンターテイメント関連のデジタルコンテンツの発行・流通・管理に特化します。イーサリアム、ネオ、オントロジーの3つのブロックチェーンなどと相互運用が可能な、NFTに最適化されたブロックチェーンネットワークとなります。
- 総発行量:1,000,000,000RLT
- 販売総数:230,000,000PLT
株式会社Hashpaletteは、ブロックチェーン分野のコンサルティングとシステム開発を行う株式会社HashPortのNFT分野の子会社として、2020年3月に設立されました。
1口から参加可能!その結果は
筆者は今回、第一弾となるCoincheck IEOに参加、1口分を7月1日に購入しました。参加者として感じたのは、やはり仮想通貨取引所が審査、販売を行っているので、ICOの時とは違い、ある程度の安心感があります。またパレットトークンについてもIEOの参加ページで確認ができるので、検討がしやすいといったメリットもあります。
第一弾のIEOは開始わずか6分で目標金額9億3,150万円を突破したので、購入者は抽選によって決定されました。今回の結果は、残念ながら抽選には外れました。ただイベント感覚もあり面白い体験でもありました。
また、コインチェックでは「日本初」のIEOを記念しキャンペーンが実施されました。期間は、2021年7月1日 IEO購入申込開始時 ~ 2021年7月15日 の対象期間において、Coincheck IEOにおいてPLTの購入申込みを行ったユーザーから抽選で100名に10,000円相当のPLTがプレゼントされます。そういった特典も参加者には嬉しいポイントです。
まとめ
IEOは仮想通貨取引所が仲介者となるため投資家にとって安心できる仕組みのように感じます。また第一弾ということもあり、6分で目標金額を達成するほどに投資家の期待や注目が集まっていたと言えます。
ただし、IEOは必ずリターンがあるというものではありません。リターンが期待できるかどうかはプロジェクト内容を確認し各自で判断しましょう。誰かに言われて参加する・誰かの真似をしてとりあえず参加してみたというような投資の仕方はおすすめできません。
その上で、今後のIEOに参加してみたいという方はコインチェックで口座開設を済ませておくと良いでしょう。コインチェックはマネックスグループ株式会社の子会社であるコインチェック株式会社が運営している仮想通貨取引所です。コインチェックのスマホアプリは、販売所にアクセスしてスムーズに仮想通貨を購入できるよう設計されており、独自サービスもアプリ内で完結できる利便性があります。スマホアプリの累計ダウンロード数415万を突破し国内No.1(AppTweakデータ協力:2021年1月~2021年6月)を維持しています。初めて仮想通貨取引所の口座開設をするという方にも有用な取引所です。
立花 佑
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