日本に進出した大手仮想通貨取引所コインベースとクラーケンを徹底比較

今回は、コインベースとクラーケンについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. コインベースの概要
  2. クラーケンの概要
  3. コインベースとクラーケンのスペック比較
    3-1.取引方法の違い
    3-2.取扱通貨の違い
    3-3.取引手数料の違い
    3-4.入出金方法の違い
    3-5.取引以外の特徴の違い
  4. まとめ

米国発の暗号資産(仮想通貨)取引所であり、この市場で比較的長い歴史を誇る「Coinbase(コインベース)」と「Kraken(クラーケン)」は、近年、日本在住者向けのサービスを展開しています。

どちらも世界的にトップクラスの出来高を誇り、多くのユーザーベースを抱えています。ステーキングやウォレットアプリなどの関連サービスはもちろん、基本的なトレーディングシステムやセキュリティ面もユーザーにとって使いやすく、安心して利用できるよう構築されています。

今回は、「Coinbase(コインベース)」と「Kraken(クラーケン)」についてご紹介します。

①コインベースの概要

仮想通貨取引所・販売所のCoinbase

コインベースは、2012年に仮想通貨取引所事業を始め、日本では2021年からサービスを展開しています。同社は世界100ヶ国以上、のべ9,800万人のユーザーが利用しており、世界的にも大きなシェアを持つ取引所です。

日本でのサービス展開にあたって、三菱UFJフィナンシャルグループと業務提携を行ったことも大きなニュースとなりました。

②クラーケンの概要

仮想通貨取引所・販売所のKraken
クラーケンは、2011年にアメリカで仮想通貨取引所の運営を始めた事業者です。日本でも取引所サービスを展開していましたが、2018年に撤退していた経緯があります。

その後サービスやセキュリティが強化され、2020年に再び日本市場へ復帰しました。仮想通貨の創生期から事業を続けているクラーケンの日本事業再開は、個人投資家の間でも歓迎の声が多く聞かれたようです。

③コインベースとクラーケンのスペック比較

ここからは、コインベースとクラーケンのスペックについて、各項目ごとに比較していきましょう。多くの投資家が取引所を選ぶときの基準となる「取引方法」「取扱通貨」「取引手数料」「入出金方法」の4つに分けて解説していきます。

3-1.取引方法の違い

Coinbase Kraken
取引形式 ・販売所形式
・定期購入
・取引所形式
・販売所形式
注文方法 ・成行
・指値
・ストップリミット
・逆指値
・損失確定
・利益確定
・ダークプール
レバレッジ取引 取り扱いなし 取り扱いなし

クラーケンでは、販売所形式と取引所形式のどちらの取り扱いもありますが、コインベースでは販売所形式のみの取り扱いとなっています。

今後サービスが拡充されていく可能性はあるものの、「なるべくコストをかけずに取引をしたい」と考えている人にとっては、取引所形式の取り扱いがないことはデメリットとなるでしょう。

コインベースでは仮想通貨の「定期購入」サービスを提供しています。頻度は、「毎日」「毎週」「毎月」の中から自由に選べるため、「時間を分散しながら仮想通貨に投資したい」「取引のタイミングの判断が難しいので自動買付をしたい」という人には利便性の高いサービスです。

3-2.取扱通貨の違い

Coinbase Kraken
仮想通貨

5種類:ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ステラルーメン

【取引所】

13銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、オーエムジー、チェーンリンク、イーサリアムクラシック、ポルカドット、エンジンコイン、GensoKishi Metaverse

【販売所】

12銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、オーエムジー、チェーンリンク、イーサリアムクラシック、ポルカドット、エンジンコイン

法定通貨 取り扱いなし ・USD/JPY
・EUR / JPY
・EUR / USD

海外取引所の大きな魅力のひとつとして、取り扱い銘柄の多さが挙げられます。ただし、日本でサービスを展開する際は、取り扱い銘柄をメジャーコインに限定している取引所も多くみられます。

コインベースでは取り扱い銘柄が主要な銘柄に限定されており、物足りなさを感じる投資家もいるでしょう。

一方、クラーケンは多数の銘柄を取り扱っています。国内取引所ではもっと多くの銘柄を取り扱っているところもあるため、特別多いわけではありませんが、主要コインを取引するうえではそれほど不便を感じることはないでしょう。ただ、クロス円での取引だけでなく、対米ドルや対ユーロ、対ビットコイン、対イーサリアムでの取引ができる点も大きなメリットといえます。

3-3.取引手数料の違い

Coinbase Kraken
取引手数料 約1.99%
なお、2万円以下の取引については最大299円の取引手数料がかかる
取引所:30日間の取引ボリュームよりことなる
Maker:0~0.16%
Taker:0.10~0.26%
販売所:1.5%
入金手数料 無料 無料
出金手数料 三菱UFJ銀行あて
3万円以上:330円
3万円未満:110円
250円

販売所形式での取引手数料については、コインベースが約1.99%、クラーケンが1.5%となっているため、クラーケンの方が取引コストを抑えられるでしょう。ただし、コインベースでは、2万円以下の取引では99〜299円の手数料が適用されるため、取引金額によってはコインベースの方が安くなることもあります。

なお、取引所形式の方がさらに低コストで取引できることから、仮想通貨取引に慣れている人は取引所を利用することがおすすめです。

3-4.入出金方法の違い

Coinbase Kraken
入金方法 クイック入金
(三菱UFJ銀行からのみ)
銀行振込
出金方法 三菱UFJ銀行口座への出金のみ 登録口座への出金

コインベースでは、入出金ともに三菱UFJ銀行からの手続きのみに限定されています。公式サイト上では「より便利で使いやすいサービスを目指し、新たな入出金の方法を順次追加する予定です。」との記載はあるものの、現時点では使い勝手が良いとはいえないでしょう。

クラーケンでは入金は銀行振込による手続きとなっており、クレジットカードやデビットカードは利用できません。出金手続きは事前に登録した銀行口座あてに行われます。最小出金金額は1,250円で、1日最大1,000万円(10万ドル相当)まで引き出し可能です。振込手続きは当日中に行われますが、状況によっては5営業日前後かかることもあるため、余裕を持って手続きを行いましょう。

コインベース、クラーケンともに入出金サービスが優れているとはいえませんが、日本でのサービス展開から間もない取引所であるため、今後順次機能が拡充されていくことが期待されます。

3-5.取引以外の特徴の違い

Coinbase Kraken
その他の特徴 ・専用アプリでの取引 ・ステーキングサービス
・専用アプリでの取引
・バグバウンティ

クラーケンでは、取引以外にもさまざまなサービスが提供されています。特に、長期保有を前提としている投資家にとって嬉しいサービスが「ステーキング」です。クラーケンのステーキングではイーサリアムとポルカドットが対象(2022年7月執筆時点)となっており、イーサリアムは年利4〜7%、ポルカドットは年利12%の報酬が付与されます。

また、クラーケンでは「バグバウンティ」の取り扱いがあることも特徴です。バグバウンティとは、取引を行う上で発見したバグを報告することで報酬を受け取れるサービスです。的確なバグを報告することで最低100ドル相当のビットコインが受け取れるため、取引以外でも利益を得られる嬉しいサービスといえます。

④まとめ

本記事では、コインベースとクラーケンのスペックについて比較してきました。それぞれメリット・デメリットがあるため、自分の意向に合った取引所を選ぶことが大切です。どちらも海外で長年かけて洗練されてきた取引システムを日本に持ち込んでいます。使いやすさについては個人差があると思うので、まずは使ってみて、自分に合った方をベースに使用するのも良いと思います。興味のある方は、この機会にコインベースとクラーケンの口座登録を行ってみてください。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12