昨日のマーケットは中央銀行イベントデーのような日となっており、日銀、ECB、トルコ、南アフリカの政策金利発表があった。
注目されていた日銀とECBを振り返ると、日銀はマーケットの予想通り、政策金利は据え置きとなり金融緩和を維持する路線に変更ないことが確認された。ECBも予想通り0.5%の利上げを行い、11年ぶりに政策金利を引き上げることを発表し、ユーロは上昇。しかしラガルド総裁が最終的な利上げの地点を変更することはないというコメントを行ったことによりユーロは下落する動きとなった。
ユーロ円は一時142円台まで上昇するも一転下落して140円台まで下落する動きとなり、コメントに一喜一憂している市場の姿が表れている。
また欧州ではイタリアのドラギ総裁が辞任を表明したことで政局が混乱する方向になっており、イタリアの総選挙は9月25日に行われることが決まった。欧州の金利をみてもイタリア国債の上昇幅が大きくなっており、欧州の国の間での借入コストのスプレッドが拡大しているのはECBも問題視しており、今後は市場を分断しないような対策を行っていくことを表明している。
日銀は内容としてはほぼ市場予想と同じ内容が出てきたのでほぼ無風といったところ。黒田総裁のコメントでも「為替のために政策金利を変更することはない」と断言しており為替対応のための金利引き上げはないということを明確にした。
先進国と日本の金融政策の乖離が明確になる中でFX市場ではドル円のロングに傾けている割合が多くなったままとなっており、マーケットはドル円を上方向でしかみてないということがポジション動向からも把握できる数字となっている。
米国市場はこれまで売られていたハイテク関連や消費財関連が主導して上昇する動きに。四半期決算の予想を上回ったテスラが大幅高となっており、NASDAQの上昇はNYダウやS&P500と比較しても大きくなってきている。
昨日発表されたフィラデルフィア連銀製造業景況指数は1979年以来の水準まで落ち込んでおり、引き続き先行きの見通しは明るくない状況。
米国債金利が大きく低下する中米ドルも弱い展開が継続しており、ドル円は137円台前半まで下落。
足元の株高にはついていけていない投資家も多くいる状況で、個人的にはここでついていくのはまだ早いと考えており、8月の夏枯れ相場の下落の押し目で拾っていくのがベストかと考えている。
仮想通貨市場では市場全体の上昇は一服し横ばいでの推移に。
ビットコインは23,000ドル台での推移が継続しており、大きな動きなく推移。足元未決済建玉が上昇とともに伸びてきているため堅調な地合いではあるか。
レバレッジレシオもそこまで高くなっていない状況となっている。
現在Solanaのアクティブウォレットが大きく増加しており、市場全体が落ち込む中でも他のブロックチェーンを大きく上回っているのは気になる数字。足元イーサリアムの上昇に隠れてはしまっているものの上昇する動きが続いており、イーサリアムキラーとしての立ち位置が再度大きく回復するかどうか注目。
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中島 翔
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