25日移動平均線でビットコインのトレンドを捉えよう【仮想通貨取引所の元トレーダーが解説】

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今回は初心者向けの移動平均線の使い方について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 移動平均線とは?
    1-1.移動平均線の概要
    1-2.移動平均線の日数による変化
  2. 移動平均線の基本的な使い方
    2-1.値動きの目安
    2-2.トレンドを見極める
  3. 25日移動平均線のススメ
    3-1.設定する日数の決め方
    3-2.25日移動平均線を利用してみよう
    3-3.複数の移動平均線の基準として利用
  4. まとめ

仮想通貨(暗号資産)のトレードのためにテクニカル分析を勉強される方は多いのではないかと思います。筆者自身も最初は本を読みながらテクニカル分析から勉強しました。

しかし、初心者にとってテクニカル分析で頭を悩ますのは、テクニカル指標で利用する数値の設定です。何日の移動平均線を使えばよいのか初心者では全く分からないでしょう。ゴールデンクロスやデットクロス等を勉強しても、基本的な移動平均線一つでも日数を指定しないといけないため悩んでしまうと思います。ここでは移動平均線の設定方法について解説して行きたいと思います。

①移動平均線とは

1-1. 移動平均線の概要

最初に移動平均線について解説します。移動平均線は設定した日数の間を計算した平均値を一本の線で示しています。資産価格が一時的に大きく変動しても、中長期的には平均線に収斂しやすい傾向があります。シンプルかつ普遍的な性質を持つため、移動平均線は市場参加者が最も意識しているテクニカル指標の一つとなっています。

移動平均線の計測日数はローソク足で表示する時間軸に沿って調節されたり、トレーダーの好みに合わせて変更されます。しかし、投資初心者の方はまず25日移動平均線を利用してみましょう。

1-2. 移動平均線の日数による変化

次に移動平均線の日数が変化することで、どのように移動平均線が変化するか説明します。下記のビットコインの日足チャートをご覧ください。
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3本のラインはそれぞれ移動平均線ですが日数が異なっています。まず水色のラインが5日移動平均線、青色のラインが25日移動平均線、黄色のラインが200日移動平均線を示しています。ご覧のとおり、日数を短くすればするほどチャートの動きに敏感に連動していることがわかるでしょう。

一方で200日移動平均線は移動平均線のラインの動きが緩やかな形状となっており、ゆっくりとしたラインになっています。これはどれだけ過去の価格を含めて計算するかが影響しているため、当然ですが手前の価格の5日と200日であれば5日の方がリアルタイムの価格に近くなります。

②移動平均線の基本的な使い方

次に移動平均線の基本的な使い方について説明します。

2-1. 値動きの目安

移動平均線は値動きの目安として利用します。例として下記のビットコインの日足チャートをご覧ください。
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黄色の○印をつけているところは移動平均線でローソク足の動きが止まっている部分です。このように移動平均線まで戻ってきたら、再度トレンド方向で価格が推移するという動きが典型的なパターンとなります。当然ながら移動平均線で止まらないパターンもあるので、あくまで参考として捉えておきましょう。

2-2. トレンドを見極める

次の移動平均線の使い方としてはトレンドを見極めるために利用する方法があります。トレンドの見極めるためには2本以上の移動平均線を利用することが一般的です。例として下記のチャートをご覧ください。
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チャートには25日移動平均線と50日移動平均線を利用しています。よく使われる「ゴールデンクロス」と「デットクロス」というのは短期の移動平均線と長期の移動平均線がクロスする事象を指し、トレンドの変化を強調します。

黄色の○印は短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜けしているため、トレンドは上昇トレンドに入ったと判断します。一方で赤色の○印は短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜けしているため、トレンドは下落トレンドに入ったと判断します。

これらが移動平均線のトレンドを見極めるために利用する方法です、

③25日移動平均線のススメ

3-1. 設定する日数の決め方

次に移動平均線を設定する場合どのような基準で決めるべきか解説します。

筆者の考えとしては「投資家が一番利用して見ている日数を選択して自分も利用する」ということが堅実なのではないかと考えています。参考にしている人が多ければ多いほど、その日数の移動平均線は意識されているため、ローソク足が戻ってきたらエントリーするという投資家が増加するためです。

なかには他のテクニカル指標と組み合わせてデータを分析し、相性を探すという研究者のようなトレーダーもいますが、初心者がそこまでする必要はありません。

3-2. 25日移動平均線を利用してみよう

次に、投資初心者の方はまず25日移動平均線を利用してみてください。25日移動平均線は一般的に広く利用されている日数になります。色々なFX会社のチャートや仮想通貨取引所のチャートで移動平均線を表すと自動的に25日が出てくることもあり、広く利用されています。みんながチェックしている移動平均線だからこそ参考となりやすい特徴があります。

下記が25日平均線のチャートになります。
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このように移動平均線1本のみでトレードするということはあまりありませんが、このように基準となる1本を示して、マーケットが現在上昇トレンドにあるのか下降トレンドになるのか把握する際の参考にすると良いでしょう。

移動平均線よりもローソク足が上の位置にある場合は上昇方向に動きやすく、移動平均線よりも下の位置にある場合は下落方向に動きやすいということだけでも把握しておくと勝率は大きく変わってきます。

トレードの基本は可能性が高い方にリスク管理を行いながら投資を行うということであり、無闇にトレードすることを止めるためにも、このシンプルな見方が一つの助けになります。

3-3. 複数の移動平均線の基準として利用

25日移動平均線は1本のみで利用するわけではなく、複数の移動平均線の中の一つとして利用することになります。ここでは初心者向けのために1本のみで解説していますが、実際は2本以上で利用してもらうことが良いでしょう。

そして2本目の移動平均線をどのような移動平均線で行うべきなのかというのは検証する必要がありますが、25日移動平均線だけは常にどのような組み合わせの時でも利用して良いと筆者は考えています。

それだけ機能しやすくトレード回数も大きく減少しないため利用しやすいでしょう。また、一般的に長期的なトレードで利用されやすいのは200日移動平均線です。長期投資をされる場合は一度チャートをチェックしてもらえれば良いでしょう。

④まとめ

ここでは移動平均線の基本の見方の解説、そして25日移動平均線について解説しました。テクニカル分析に正解はありません。しかし、正解がないからこそ研究しがいがあるとも言えます。自分自身のトレードスタイルにあったテクニカル指標をどれだけ見つけることができるのかという世界です。

ビットコインはFXと比較しても値動きが大きいため、テクニカル分析で数値等を調節するトレーダーも多く、FXで通用していたテクニカル指標の数値が役に立たないという声も聞いています。今回の記事を読んで25日移動平均線から自身のテクニカル分析の戦略を考案する一助となれば幸いです。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12