DeFiとCeFiの違い

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「CeFi」とは「Centralized Finance」の略称で、「中央集権型金融」を意味します。銀行や保険、取引所のような金融機関が管理する伝統的な金融サービスがCeFiに含まれます。

一方「DeFi」とは「Decentralized Finance」略称で、暗号資産やブロックチェーンを利用した金融アプリケーションの総称です。UniswapやCompoundなどがDeFiに含まれます。

以下では、DeFiとCeFiの違いについて説明していきます。

管理、運営の違い

CeFiはCoinbase、Binance、Huobiなどの単一の事業体または法人によって管理、所有されています。CeFiの管理者は集権的にサービスを構築できるため、価値あるサービスを提供しやすいのですが、主導権が全て単一の管理者に委ねられています。

つまり、ユーザーは管理者の決定に必ず従わなければならないのです。例えば、管理者がユーザーの利用を停止したりすることもできてしまいます。

それに対してDeFiには単一の管理者がおらず、プログラムコードにそって動作しています。DeFiアプリケーションはスマートコントラクトを使って動いており、ウェブサイトやアプリケーションからスマートコントラクトにアクセスすれば、トークン取引やレンディングなど、目的の金融取引を実行することができるのです。

また、DeFiアプリケーションでは管理権、所有権はコミュニティに分散されており、誰もがプロジェクトのガバナンスに参加できます。

ではどのように運営、意思決定されているのでしょうか。DeFiアプリケーションの多くでは、ガバナンストークンと呼ばれるプロジェクトのガバナンスに参加するための投票権のようなものが存在します。

DeFiアプリケーションに何らかの変更を加えるときには、まずコミュニティに向けて提案をします。この提案を実行するか否かを、ガバナンストークンを使った投票を行い決定し、その投票結果にのみ従う仕組みになっています。このようにして、管理や開発についての方針をコミュニティ全体で決定していくのです。

KYCやサービスの違い

CeFiを利用するには、多くの場合、サインアップとKYC(本人確認)の必要があります。これは、規制を遵守し、マネーロンダリングのような犯罪行為を防ぐことにつながるため、業界全体の成長にとって非常に大切なことです。

しかし、この規制によって取引所を利用できる国が制限されてしまったり、個人情報を第三者に預けるというリスクを背負うことにもつながります。

DeFiは、MetaMaskのような暗号資産ウォレットさえあれば、KYCやサインアップをせずとも利用することができ、参入障壁が低いのが特徴です。また、DeFiはインターネット上の金融サービスであるため、従来の金融サービスが利用できない、あるいは時間やコストがかかってしまう国や地域でも同じサービスにアクセスすることができます。

このように見てみると、DeFiに利があるように思えてしまうかもしれません。しかし、一概にはそうとも言い切れないのです。その理由にユーザー保護の有無があります。

CeFiでは、管理者が中央集権的にユーザーのデータを管理しているため、ユーザーのトラブルに対応してくれることがあります。例えば、アカウントのパスワードを紛失してしまった場合、運営に問い合わせればパスワードを初期化するなどの対応を受けられることがあります。また、送金の際に誤ったチェーンを選択してしまった場合でも、資金を取り戻してくれる場合があるそうです。

しかし、DeFiでは今あげたようなユーザー保護のサービスは提供されていません。Discordグループを通じてチームにアクセスすることができる場合はありますが、CeFiのように充実したサービスは期待できません。

資金管理に関する違い

CeFiを利用する際は、利用している取引所などに資金を預けることになります。CeFiのサービスの多くは、ユーザーから預かった資産をコールドウォレットに移動するなどして安全な管理に注力しています。

しかし、CeFiがハッキングされるリスクも忘れてはいけません。資金を預けるということは利用するCeFiを信用するということになるのです。

DeFiでは、ユーザーは第三者を信用する必要がありません。ユーザーは自分で秘密鍵を管理し、自分で資金をコントロールします。取引や融資など、DeFiアプリケーションとのやり取りは、人ではなくスマートコントラクトに依存して実行しているので、CeFiのようにどこかに資金を預ける必要がないのです。

整理すると、CeFiを利用する際は資金管理を任せている状態になり、DeFiでは常に自分で資金を管理するということです。

まとめ

本稿ではDeFiとCeFiの違いについて解説してきました。

金融におけるセルフカストディ(自己保管・自己管理)と分散化の魅力は、ブロックチェーンが本来目指すべき中心的価値であると思います。DeFiの発展は、すべての人が平等になり、お金の自由度を高め、これまでにないほど多くの人にチャンスをもたらす力を秘めているでしょう。

しかし、DeFiにはCeFiのサポートが必要です。CeFiの中でも取引所は、DeFiプロジェクトへの参入障壁を下げ、一方で流動性やセキュリティを維持しつつ、ユーザーがDeFiのメリットを得られるようなインフラとして機能しています。

DeFiもCeFiも一長一短であるため、両方が相互に作用することによって、暗号資産業界全体の発展につながることを期待しましょう。

監修者: 株式会社techtec リサーチチーム

株式会社techtec「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec

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