仮想通貨は不動産や株式などの伝統的な投資商品と比べてボラティリティが大きく、仮想通貨取引所のCMによって認知度が向上したことで、2017年には投機的に自己資金を投じる投資家が増えました。ここでは、1500種類以上あると言われる仮想通貨の中でも時価総額2位を誇るイーサリアムについて詳しく解説していきます。
イーサリアムとイーサ
イーサリアムとは、契約や取引を自動化するプログラム「スマートコントラクト」を導入した分散型アプリケーション「DApps」の開発プラットフォームです。混同されがちですが、イーサリアムはヴィタリック・ブテリンによって提唱され現在も開発が進むイーサリアムプロジェクトの総称のことで、イーサリアムプロジェクト内で利用される内部通貨はイーサ(ETH:Ether)と呼称されています。私たちが仮想通貨取引所で購入できる仮想通貨はこのイーサを指します。
スマートコントラクトに利用される内部通貨イーサ
イーサリアムの内部通貨であるイーサは、通貨として利用する以外にも、スマートコントラクトを実行するための手数料「Gas」としても使われます。Gasはマイナーに支払われるGas Feeと需要によって値段が変動するGas Priceによって算出されます。また、イーサはこうしたユーティリティトークン的な側面をもつことから、2018年7月現在で発行上限が設定されておらず、イーサリアムコミュニティにおいて発行上限の是非が議論されています。
また、イーサの代表的な特徴にはコンセンサスアルゴリズムが挙げられます。イーサは現在、ビットコインをはじめとする主要な仮想通貨と同じコンセンサスアルゴリズムであるPoW(Proof of Work:プルーフオブワーク)を採用していますが、PoWが引き起こす過剰な電力消費を問題視してPoS(Proof of Stake:プルーフオブステーク)への移行を目指しています。
イーサリアムとスマートコントラクト
イーサリアムの特徴でもあるスマートコントラクトによって、さまざまな契約や取引がプログラムによって自動化することで、従来の契約・取引プロセスで必要であった仲介者を必要としなくなります。また、スマートコントラクトはプログラムをブロックチェーンに書き込むことでプログラムの改ざんが防がれるため、契約や取引において不正が行われる心配もありません。スマートコントラクトは既にDAppsの構築に利用されており、2018年7月現在、DAppsには中央管理者のいないゲームや分散型取引所(DEX)、予測市場(Augur:オーガー)などが存在しています。
スマートコントラクトの利用が考えられる産業分野
スマートコントラクトは従来の契約や取引を効率化し、取引履歴の改ざんを防止する仕組みをもつことから、特に金融・証券分野や生活・産業分野での適用が率先して検討されています。
金融・証券分野では、野村総合研究所、野村證券、SBI証券、三菱UFJフィナンシャル・グループが実証実験を行っており、最近ではニュースで目にする機会が増えてきています。三菱UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行などの日本のメガバンク他、米国ゴールドマンサックスやJPモルガン、スイスのUBSが参加するスマートコントラクトを活用した金融プラットフォームCordaは、各金融機関で同一の台帳を保持、参照することで従来契約に費やしてきたコストを削減することを目指しています。
生活・産業分野ではクレジットカード業界大手のVISAとクラウド型電子署名サービスを提供するDocuSignが、自動車リースに関するスマートコントラクトの概念実証を試みています。実験では、自動車のリースが販売員なしに契約することが可能で、さらに契約者と車両情報を結びつけて保険契約を案内するなど、契約コストを最小限まで抑えたレンタカー・カーシェアリングが行える可能性について言及されています。
上記以外の業界でも、さまざまな契約が必要となる法律分野や不動産分野、IoT分野、音楽や電子書籍などのデジタルコンテンツ分野などでのスマートコントラクトの活用が考えられています。
イーサリアムに関する参考サイト
イーサリアムはビットコインやXRP(エックスアールピー)などの主要仮想通貨と比較して、書籍などの情報源が少ないことが特徴です。一方で、WEB上ではイーサリアムでは開発者であるヴィタリックを中心に、イーサリアムコミュニティによる情報が充実しているため、下記のようなサイトを利用して情報を探してみることもおすすめです。
- Ethereum Project
- Ethereum Foundation Blog
- Ethereum Research
- Github
- Twitter: Vitalik “Not giving away ETH” Buterin
- Vitalik Buterin’s website
イーサリアムに関する記事の一覧を見る
イーサリアムの購入を検討しているなら
HEDGE GUIDEでは、編集部がイーサリアムの概要をわかりやすく5つのポイントにまとめてご紹介しています。また、イーサリアムを購入できるおすすめの取引所・販売所もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
イーサリアムを購入可能なおすすめの仮想通貨取引所・販売所一覧

HEDGE GUIDE 編集部 暗号資産・ブロックチェーンチーム

最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 暗号資産・ブロックチェーンチーム (全て見る)
- 暗号資産を自動で積立購入できる「bitFlyerかんたん積立」が提供開始 - 2021年1月18日
- 暗号資産取引所コインチェックの3種類のビットコイン購入方法を徹底解説! - 2021年1月18日
- 暗号資産の積立投資をコインチェックで始めよう!利用方法を徹底解説 - 2021年1月15日
- 貸仮想通貨のメリット・デメリットは?コインチェックの貸仮想通貨の手続きを徹底解説 - 2021年1月15日
- 【初心者向け】コインチェックで暗号資産投資を始める方法:ビットコイン購入編 - 2021年1月14日