ゲームで生計を立てる Axie Infinityで話題となった「Play-to-Earn」とは?

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今回は、Web3.0とDAOをテーマに事業を行うFracton Ventures株式会社の赤澤直樹 氏から寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. 1. NFTとゲームの出会い
  2. 2. Axie Infinityの躍進
  3. 3. Play-to-Earnという概念
  4. まとめ

NFTとゲームは早い段階から相性がいいとされており、多くのブロックチェーンゲームが開発されてきました。これはブロックチェーンによってゲームで積み上げたステータスが「資産」として扱えるようになったことに大きな要因があります。

最近ではこの性質をさらに推し進めた「Play-to-Earn」という考え方が一躍注目を集めています。今回は、Play-to-Earnとこのコンセプトを有名にしたAxie Infinityというブロックチェーンゲームについて解説します。

1. NFTとゲームの出会い

歴史を振り返るとNFTというコンセプトが大きく注目を集めたのは、ゲームと組み合わされた時でした。2017年から2018年にかけてCryptoKittiesをはじめとするブロックチェーンゲームが台頭してきたことでブロックチェーン技術、特にNFTとゲームを掛け合わせたプロダクトの品質や多様性が一気に向上しました。

NFTとゲームが掛け合わさることによるメリットはいくつかありますが代表的なものは「ゲーム内アイテムの資産化」や「複数のゲーム間の相互運用」という点にあります。

まず、「ゲーム内アイテムの資産化」についてはブロックチェーンの強みを生かしたメリットです。基本的に従来型のゲームではゲーム内のキャラクターやアイテムはそのゲームの中だけで利用できるものです。しかし、ブロックチェーンを利用してNFTとして扱うことで、育成したキャラクターや取得したアイテムが資産となります。資産となるということは、キャラクターやアイテムに金額がついて売買できるということを意味するので、まさにゲームで稼ぐということが可能になるということです。

また、「複数のゲーム間の相互運用」という点も興味深いポイントです。イーサリアムのようなパブリックブロックチェーンの場合は、サービス間の壁を越えてアセットのやりとりが行われます。これはあるゲームで利用していたキャラクターやアイテムを別のゲームで利用できるということを意味します。

このようにブロックチェーンないしはNFTとゲームは非常に相性が良く、ゲームのより広い可能性を切り開くものとなりました。

2. Axie Infinityの躍進


今年に入りブロックチェーンゲームに再び注目が集まっています。そのきっかけになったのはAxie Infinityというゲームでした。Axie InfinityはAxie(アクシー)というモンスターを集めて対戦するゲームで、ゲーム内ではトークンを稼ぐこともできるようになっています。リリースされたのは2018年ですが、2021年現在で最も活発に利用されているブロックチェーンゲームです。

コンピュータと対戦するモードである「アドベンチャー」と他のプレイヤーと対戦するモードの「アリーナ」の2つが用意されており競わせることができます。また、ブリードという仕組みによってAxie2匹から新しいAxieを誕生させることもできます。ゲーム内ではゲーム内土地であるランドを取得することができ、これにより素材集めや新しいキャラとの対戦などができるようになります。このように様々な楽しみ方が用意されていることがこのゲームを人気にした理由の一つです。

3. Play-to-Earnという概念

Axie Infinityが人気になるにつれて、話題になったキーワードがあります。それが「Play-to-Earn」です。これはブロックチェーンゲームが誕生した当初から認識され始めた考え方ですが、最近になってスローガンとして認知が広がりました。そのきっかけがスカラーシップという仕組みです。

スカラーシップはこのゲームを一躍有名にした大きな要因です。Axie InfinityではAxieを3匹購入しなければ始めることができません。しかし、現在の価格では3匹揃えるために15万円ほどが初期費用として発生してしまいます。初期費用を支払うことが難しい人だとゲームを始めることすら難しいという状況です。そこで、最初にAxieを購入できる人が3匹を揃えておき、それをゲームをプレイしたい人に貸し出すという取り組みが行われました。これがスカラーシップです。ゲームをプレイした人が獲得したトークンは貸し出した人と一定の割合で折半され、貸し出し側は再投資することが可能です。

これまでにもキャラクターやアイテム、ゲーム内土地がNFTとして扱われるゲームはこれまではたくさんありましたが、Axie Infinityの最大の特徴はそのトークンエコノミーとうまく組み合わせたところにあるのです。実際、フィリピンやインドネシアなどの新興国ではAxie Infinityで生計を立てる例も生まれてきており、ある種の新しい労働の形と言われることもあります。このようにAxie Infinityを中心とした経済圏が確実に生まれ発展し始めています。

Play-to-Earnという考え方は今後より世界中に広がり、より多くのブロックチェーンゲームで実現されるようになっていくと思われます。実際Next Axie(次のアクシー)を模索する動きも出てきており、ある種の新しいプロゲーマーのような人材が次々と誕生していくことでしょう。

まとめ

今回はブロックチェーンを利用したゲームと最近認知が広がり始めた「Play-to-Earn」というコンセプトについて解説しました。NFTの登場によってゲームの楽しみ方に大きな広がりが生まれました。今後もこのような動きはさらに大きくなっていくと思われるため要注目です。

ディスクレーマー:なお、NFTと呼ばれる属性の内、発行種類や発行形式によって法令上の扱いが異なる場合がございます。詳しくはブロックチェーン・暗号資産分野にお詳しい弁護士などにご確認ください。

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Fracton Ventures株式会社

当社では世の中をWeb3.0の世界に誘うことを目的に、Web3.0とDAOをテーマに事業を行っています。NFT×音楽の分野では、音楽分野のアーティスト、マネジメント、レーベルなどとNFTを活用した新しい体験を図るプロジェクトを行っています。