NFTマーケットプレイスX2Y2は2月16日、マーケットリーダーであるOpenSeaに対してヴァンパイアアタックを仕掛け、OpenSeaユーザーにトークンのエアドロップを開始した。先月、同様のアタックを行なったLooksRareに続くものだが、異なる戦略をとっている。
ヴァンパイアアタックとは、新興プロジェクトが既存の人気プロジェクトのユーザーを対象にトークンを配ることを意味する。その目的は、報酬を配ることで類似プロジェクトのターゲット層が新しいプロジェクトに興味を持ち、ユーザー獲得に繋げるというものだ。
今回のヴァンパイアアタックでX2Y2は 、OpenSeaのユーザーを対象にエアドロップを実施している。エアドロップは、X2Y2トークンの総供給量の12%に相当する1億2,000万トークンになるという。
X2Y2がヴァンパイアアタックを決行後、ユーザーがX2Y2トークンの受取を請求(Claim)した際にエラーが発生したり、サーバーに負荷がかかったことでエアドロップは一時停止。チームは日本時間16日19時41分に「48時間以内にエアドロップを再開する」と説明した。
米暗号資産メディアThe Blockによると、エアドロップが停止される前に請求されたトークンは1億2,000万トークンのわずか7%にとどまったという。
1月に発表されたライトペーパーによると、X2Y2のヴァンパイアアタックはLooksRareのそれとは多くの点で異なっている。1つは、2022年1月以前にOpenSeaで取引したことのある86万1,417個のウォレットすべてがエアドロップの対象である点だ。LooksRareのエアドロップでは、2021年6月中旬から12月中旬の間にOpenSeaで3ETH(約100万円)以上取引したウォレットだけが対象となっていた。
また、初期の支援者を対象としたプライベートセールを行わなかった点も違いと言える。その代わりにX2Y2は、Uniswapで初期流動性提供(ILO)を行い、プロジェクトの流動性を提供するために必要な資金を調達している。
LooksRareのモデルとのさらなる違いとして、X2Y2のトレーダーは取引量に関連した報酬を受け取ることがないという特徴がある。X2Y2は、報酬をステーク報酬に限定することで、LooksRareでよく見られるウォッシュトレードにつながる「トレードマイニング」を排除する狙いだ。
すでにトークン総供給量の65%に相当する6億5,000万トークンがステーク報酬に充当されているという事実からも、ステーク報酬に限定する姿勢が明らかであると言えるだろう。
【参照記事】Litepaper — X2Y2
株式会社techtec リサーチチーム
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