クロスチェーンブリッジを提供するWormhole、3億ドル以上のハッキング被害が発生

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クロスチェーンブリッジを提供するWormholeは2月3日、公式Twitterで12万ETH(3億2,500万ドル相当)がハッキングにより流出したことを明らかにした。今回の被害額は暗号資産関連のハッキング事件では4番目、DeFiでは過去最大額の被害となっている。

ブロックチェーン分析会社Ellipticによると、今回のハッキングはWormholeがアカウントを適切に検証しなかったことが原因であるとしている。これにより、ハッカーがアカウントの署名を偽装し、約3億2,500万ドル相当のイーサリアムを自由に摸造することができたという。

クロスチェーンブリッジとは、規格・仕様の異なるブロックチェーン同士を跨ぐプロトコルを指す。これにより、ユーザーはある暗号資産を2つ以上の異なるブロックチェーンで利用することができる。例えば、ユーザーがビットコインをイーサリアムやSolanaなどで利用したいと考えるとき、クロスチェーンブリッジを利用することでビットコインを他のブロックチェーンに移すことが可能だ。

Wormholeは、イーサリアムやSolana、Polygonなどのクロスチェーンブリッジを提供するプロトコルである。Wormholeを利用することで、ユーザーはイーサリアム規格のトークン(ERC-20)をSolana上で利用することができるようになる。

Wormholeには、19の独立バリデータが駐留しており、トークンが送信元のブロックチェーンでロックアップされているかどうかなどを検証し、クロスチェーンツールの安全性と完全性を確保している。しかし、今回はこの19の独立バリデータの検証に不備があったことがハッキングにつながったとされている。

Wormholeは、ハッカーに対して資金を返還する代わりに1,000万ドルの懸賞金を提示している。しかし、現状ハッカーからの返答はない。

Wormholeによると、ハッキングされた被害額の補填は既に完了しているとのことだ。どのように被害額を補填したのかは現時点では明らかになっていない。既にWormholeは、脆弱性については解決していると発表しており、近日中にハッキングに関する詳細なレポートを公表するとのことだ。

【参照記事】Solana’s Wormhole bridge gets hacked for $200 million (80K ETH) | CryptoSlate

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宮﨑 龍三

慶應義塾大学総合政策学部3年。大学では国際政治・経済を専攻中。株式会社techtecでライターインターンとして働く他、仮想通貨ウォレットを内蔵したメッセンジャーツールアプリ「Links」を運営する株式会社Linksにもインターンとして参画している。仮想通貨を含めたブロックチェーン技術以外にも、機械学習、経済学など多種多様な分野への関心が強い。Twitter:@ryuzo10121