新型コロナ対策のベーシックインカム、ブロックチェーンや暗号資産を導入する利点とは?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で多くの国々で失業者数が史上最多となっている。経済的支援のため、一部の国の政府が「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI:最低所得保障制度)」制度の導入を検討している。給付金は対象者に迅速に届けられ、生活に必須な支払いに費やされる必要があるが、これらの目的はブロックチェーンと暗号通貨によって達成できる。米国のビジネスニュースメディアDecryptが5月16日、伝えている。

限定かつ特定条件に当てはまる人だけに現金を給付するベーシックインカムとは異なり、無条件で全国民に給付するベーシックインカムをUBIと表現する。新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、政府にUBIの導入を求める声が世界中で高まっている。スペインは既にベーシックインカムの導入を宣言しており、ナディア・カルビニョ経済大臣は感染拡大の脅威が沈静化した後も制度を継続したいと述べている。英国でもベーシック・インカム制度は議論されており、米国の民主党議員は現金給付を最低6か月間継続する緊急資金法案を4月に提出した。

しかし、小切手や銀行振込などの従来の送金手段で国民にベーシックインカムを届ける場合、費用と時間がかかる問題がある。ブロックチェーンバレーベンチャーズの創設者であるハインリッヒ・ゼトルマイヤー氏によると、ブロックチェーンの「完全に自動化された清算システム」がUBIの分配に役立つ。暗号資産金融アプリのアクシメトリアのアレックス・アクセルロッド氏は、「ブロックチェーンの改ざん耐性の高い台帳が、政府と監督機関に給付金が受取人に正当に届いた証拠を提供する」と語った。

ブロックチェーンでお金を分配するために、政府が新たな暗号資産を発行する選択肢もある。これにより、ベーシックインカム制度の効果をモニタリングして調整できる利点がある。「お金の使途を追跡し、政府が最適な貯蓄性向を設定し、給付金の効果に透明性をもたらすことは難しくない」とコモドプロジェクトのCTOを務めるケダン・スターデルマン氏は語った。また「そのようなデジタルトークンはクーポンのように機能し、交通機関、食料品、家賃など生活に必須である支払いにのみ利用できる」としている。ベーシックインカムをはじめ、さまざまな仕組みをブロックチェーンで実装する技術は既に存在しており、あとは政治的な意思だけが求められるだけの状況だ。

【参照記事】Coronavirus makes universal basic income a global talking point


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高橋奈夕

高橋奈夕

国際基督教大学4年。NYに支社を置くブロックチェーン専門のベンチャーキャピタルで半年以上インターンとして勤める。バイリンガルを生かして海外の記事を翻訳し、よりよい情報を国内に広めることにコミットしている。