米空調大手トレイン・テクノロジーズ(ティッカーシンボル:TT)は9月27日、人工知能(AI)とクラウドベースのビルシステム最適化ソリューション「Trane® Autonomous Control Powered by BrainBox AI®」を発表した(*1)。ビルオーナーや施設管理者は同サービスの利用を通じ、脱炭素化の加速やエネルギー消費の削減を期待できる。
ビルの冷暖房は世界全体の温室効果ガス(GHG)排出量の約15%を占めており、より持続可能なビルディングソリューションへの需要は日々高まっている状況だ。
そのような中、Trane Autonomous Controlは、AIを活用して1日24時間、週7日、自動的にビルシステムの最適化を行う。既存のビル制御システムを強化するとともに、気象予報データや稼働傾向などの変数を組み込んでビル性能と持続可能性を向上させる。大規模で複数の拠点を持つ小売業者にとって、Trane Autonomous Controlは利用価値の高いソリューションとなり得る。
トレインは1年以上にわたり、米国のバイオマスもしくはバイオミネラル原料を使用した素材の回収・加工業界をリードする顧客とともに、複数のサイトで同ソリューションのテストを行ってきた。その結果、エネルギー性能が大幅に改善され、100ヵ所超の施設全体で二酸化炭素(CO2)排出量を30%以上削減したことが明らかになった。
Trane Autonomous Controlは、100万台以上のコネクテッドデバイスのネットワークを含め、業界をリードするデジタルでコネクテッドなビルテクノロジーとインサイト(洞察)の活用を拡大させる。また同ソリューションのリリースに際しては、快適で生産的な空間を維持しながらGHG排出量を削減する新たな方法を顧客に提供するため、BrainBox AIと協業した。
Trane Autonomous Controlは、顧客のGHG排出量を10億トン(1ギガトン)削減する誓約(ギガトン・チャレンジ)や、2050年までにネットゼロエミッションを達成する誓約を含む、トレインの2030年サステナビリティ・コミットメントをサポートするものだ。同社の排出削減目標は、Science Based Targetsイニシアチブ(SBTi)より認証を取得している。
トレインのAIを活用した最新のビルシステム最適化ソリューションは、GHGの一大排出源となるビル冷暖房による排出削減およびエネルギー消費の削減に寄与するため、今後の利用拡大が期待できそうだ。
【参照記事】*1 トレイン・テクノロジーズ「Trane Technologies’ Latest AI-Enabled Service Offering Propels Building Performance and Accelerates Decarbonization」
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