米スターバックス(ティッカーシンボル:SBUX)は4月17日、世界20市場の3,508店舗が、同社独自のグリーンビルディング認証プログラム「Greener Stores」を取得したと発表した(*1)。地球から得た以上のものを還元する「リソースポジティブ」の実現に向けて、世界自然保護基金(WWF)と共同開発した同プログラムを今後も推進していく方針だ。
Greener Storesは、環境負荷の低減に加え、コミュニティと地球のより持続可能な未来の形成に向けた取り組みの一環となる。アジア太平洋とヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)の2地域の店舗が同認証を初めて取得した。スタバは、2025年までに世界の1万店舗がGreener Storesを取得することを目指す。ラテンアメリカ・カリブ地域では、23年末までに全ての新店舗をGreener Storesフレームワークの下で建設する。
Greener Storesは、エネルギー効率、ウォーター・スチュワードシップ、廃棄物転換(リサイクルとコンポスト)といった環境インパクト基準に基づく25種類のパフォーマンスを測定する。各店舗により特色は異なり、ある店舗では太陽光パネルもしくは水リサイクルのためのタンクを設置していたり、別の店舗はエネルギー効率の高いHVAC(暖房、換気、空調)システムや低排出のペイントシーラントを用いたりしている。パートナー(従業員)の日常的な活動も、同認証の重要な要因となっており、パートナーのアイデアやフィードバックは多くの基準に直接影響してくる。
米国ではGreener Storesの取り組みを通じて、年間の営業費用を約6,000万ドル削減したほか、水使用およびエネルギー利用を過去と比較してそれぞれ30%節約した。世界的に同取り組みを推進することは、30年までに炭素排出、水使用、埋立ごみを半減させる目標の達成に寄与する見込みだ。
スタバは気候変動分野で先進的な取り組みを推進している。しかしながら、足元では米国内で労働組合の結成を求める動きが活発化している状況だ。ESG(環境・社会・ガバナンス)関連銘柄として、今後も投資マネーを呼び込むために、23年3月20日に創業者のハワード・シュルツ氏からバトンを引き継いだラクスマン・ナラシムハン氏の手腕に注目したい。ラクスマン氏は次期最高経営責任者(CEO)として入社以来、5ヵ月間にわたり各国のパートナーと共に働き、バリスタ認証も取得した。同月23日には、従業員に配慮する企業への変革を目指すことを表明している(*2)。
【参照記事】*1 スターバックス「Starbucks verifies 3,500 Greener Stores globally」
【参照記事】*2 スターバックス「Laxman Letter to Partners: With Gratitude and Optimism」
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