サステナビリティ情報管理・報告関連ソリューションを提供するスタートアップSpeekiは12月3日、新たに人工知能(AI)搭載の炭素データ収集・報告ツール「Carbon Lens」をリリースした(*1)。
サステナビリティが世界中の利害関係者や規制当局にとって優先事項となるにつれ、企業は自社の二酸化炭素(CO2)排出量を公表するよう、ますます強い圧力にさらされている。通常、3つのスコープにわたる排出量の測定を行うことになる。スコープ1は直接排出、スコープ2は電力購入による間接排出、スコープ3はサプライヤーからの排出を含むその他のすべての間接排出である。
透明性のニーズが高まっているにもかかわらず、多くの組織が炭素排出量の計算の複雑さに苦慮している。さまざまなソースからのデータ収集や進化する規制により、炭素データ収集・報告プロセスは時間がかかり、エラーが発生しやすい状況だ。中小企業は炭素排出量を正確に追跡するツールやリソースを欠いていることが多いため、さらに困難な課題に直面している。
今回SpeekiがリリースしたCarbon Lensは、スコープ1、2、3の排出量に関するデータ評価を自動化することで、手動での入力や高額なコンサルタントの必要性を減らし、これらの課題に対処することができる。
同ツールは、追跡可能で検証可能な排出量データを確保し、社内レビューと外部検証の両方をサポートすることで透明性を高め、利害関係者の信頼を構築する。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)、欧州持続可能性報告基準(ESRS)、国際会計基準(IFRS)のS2基準「気候関連開示」、グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)フレームワークなどのグローバルスタンダードに準拠していることを保証する。
収集したデータは、顧客および規制当局への報告用にSpeekiプラットフォームにシームレスに統合できる。
Speekiのスコット・レーン共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は「当社の使命は、企業が気候変動に対して有意義な行動を起こせるよう支援することである。企業はCarbon Lensを活用することで、排出量を追跡し、グローバルスタンダードを満たし、サステナビリティ目標を前進させることがより容易になる」と述べた(*1)。
【参照記事】*1 PR Newswire「Speeki Carbon Lens® revolutionises GHG emissions accounting」
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