デジタル証券(セキュリティトークン)のリーディング・プラットフォームを提供し、米国証券取引委員会(SEC)登録のトランスファーエージェントであるSecuritize, Inc.は11月25日、SEC認可の代替取引システム(ATS)を持ち、米金融取引業規制機構(FINRA)登録のブローカー・ディーラーであるDistributed Technology Markets, LLC(DTM)の買収について規制当局の承認を取得した。
DTMはSecuritize Markets, LLC(Securitize Markets)に改称され、私募証券やオルタナティブアセットのための、規制に完全に対応した発行から流通市場までカバー可能なデジタルマーケットプレイスとなる。これにより、Securitize Marketsでは、適格投資家や機関投資家がデジタル証券の上場を通じて私募資本市場にアクセスできるようになる。
取り扱われるアセットは私募証券がデジタル化されたデジタル証券で、ブロックチェーン技術を用いて発行・追跡・管理される。デジタル証券は、伝統的に管理された私募証券と比較して、アクセス性、運用の効率性、コンプライアンスに優れていることが特徴だ。
国際取引所連合によると、2019年、私募市場(2.9兆ドル)は公開市場(1.4兆ドル)の2倍以上を調達したが、適格投資家のわずか2.5%しか参加していなぁった。Prequinによると、2023年までに民間資本市場の価値は14兆ドルになると予測されている。対照的に、Security Token Marketによると、新興のデジタル証券市場の現在の時価総額はわずか5億ドルであり、民間市場のデジタル化はまだ始まったばかりであることが分かる。
SecuritizeのCEO兼共同創業者カルロス・ドミンゴ氏は、以下のように述べている。「私募市場は現代の世界経済の巨大な割合を占めていますが、発行や取引をより効率的で透明性が高く、アクセス性を高くするテクノロジーの活用に関しては大きく遅れをとっています。Securitize Marketsを当社の既存のデジタルトランスファーエージェント・プラットフォームに統合することにより、発行体や投資家にシームレスなデジタルソリューションを提供できるようになります。これにより、現在のデジタル化が不完全なプロセスと比較して、顧客体験を大幅に向上させることができるでしょう。」
【参照記事】米Securitize、ブローカー・ディーラー/ATS企業の買収に関する規制当局の承認を取得し、「Securitize Markets」を設立

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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